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コードギアス〜復活のルルーシュ〜公開予習SP!劇場版の改変と追加シーンを完全解明!!
テレビシリーズと劇場版の改変・追加シーンを紹介
ついにコードギアスの続編となる、「コードギアス〜復活のルルーシュ〜」が2月9日より公開されます!!
コードギアスファンが待ちに待った新作ということで、あの終わりから、どのような展開が描かれるのか。楽しみで仕方ありませんね!
ちなみに、テレビシリーズ第1期のコラムを3本お届けしていますが、こちらからご覧ください!
テレビシリーズでは全50話で放送されましたが、新作映画に向けて、総集編として再編された劇場版三部作「興道」「叛道」「皇道」が公開されました。新作映画は、テレビシリーズの続きではなく、この三部作の続編ということなのですが、テレビシリーズと映画三部作ではいくつか改変していて、テレビシリーズでは描かれていないシーンが追加されたり、ごっそりカットされた部分があります。映画三部作を見ていない方、逆にテレビシリーズを見ていない方含め、映画公開の前に整合性をとって、新作映画に臨みたいと思います。ぜひ、今回のコラムをご覧になってから、新作映画を楽しみましょう!!
コードギアス〜反逆のルルーシュⅠ〜「興道」
改変と追加シーン
(改変)オープニングから違う。
ルルーシュを見つめるC.C.の視点ではなく、幼少のルルーシュと皇帝の謁見から始まる。
(追加シーン)そこで、そのやりとりを見守る兄弟たちのやりとりが描かれる。
(追加シーン)ルルーシュとナナリーが人質として、日本に連れて来られ、SPが警備する中、ナナリーを背負い、枢木神社の長い階段を登る。枢木神社で待ち受けるのは、幼少のスザクとスザクの父枢木ゲンブとキョウト六家のドン桐原と、幼い皇神楽耶もいる。そして、スザクはルルーシュを睨んでいる。
(改変)戦争の被害に遭った幼少ルルーシュが、スザクに「ぶりたにあをぶっ壊す!」と言い放つシーンカット。
これにより、打倒ブリタニアの原点が薄まる。まぁ、ルルーシュとナナリーという人質がいるのに、戦争を起こしたことで、ブリタニアへの恨みは十分と言えるが、「僕は・・・」と言う所まで言っているのに、「ぶりたにあをぶっ壊す!」を言わないのは「?」が付いてしまう。
(改変)ギアスを手に入れ、ギアスを使い、ブリタニアを壊すスタートとなる「だから!」が「ありがとう」に変更。
これは、コードギアスを象徴する「だから」と言うセリフを無くしたことになる。表情は「だから!」と言った絵なので、違和感があります。テレビシリーズとは違い、ストーリーの構成上仕方ないかもしれませんが、代わりに「興道」の最後は「だから!」で締めくくられる。
(改変)学校でカレンと出会ったルルーシュのやりとりで、シャーリーがちらっと目撃するが、シャーリーの嫉妬は描かれなくなった。
(改変)ギアスを掛けたカレンに疑われたルルーシュが、カレンを攻略して籠絡するシーンカット。
(追加シーン)C.C.を巡る、シュナイゼルとカノンの会話シーン。「コードR」というC.C.を毒ガスと称して扱っていた名称についての会話を入れている。
(変更点)リフレイン全カット。
カレンが母親と向き合い、カレンの母の愛が描かれることはない。この回は、支配された日本の闇を描いている回でもあり、カレンが成長する回でもあります。
(改変)純血派による、スザクを逃がしたオレンジの粛清をカット。
(追加シーン)スザクはロイドと合流した時にユフィの正体を知ることになり、その時に猫のアーサーとも出会う。
ユフィとスザクが出会い、粛清を止めるシーンはなし。オレンジはただの謹慎のような扱い。アーサーとの出会いも変わっており、スザクが噛まれる恒例行事がなくなってしまう。
その後のシャルル皇帝の演説では、オレンジはしれっと顔に傷をつけている。
(改変)アーサーによるゼロの仮面盗難がカット。
これにより、不信がられていたスザクがルルーシュを助け、皆に認められる流れがなくなる。
(改変)埼玉ゲットーでのコーネリア軍とルルーシュの初対決が全カット。
これにより、ルルーシュが負けるという事実が無くなる。C.C.がゼロの格好をしてルルーシュを助け、一人の力の限界を感じ、黒の騎士団を作るきっかけが描かれない。そして、ゼロの正体を巡る片瀬少将が自決した戦いもカットされているので、コーネリアとはナリタでの戦いが初見になる。
(改変)河口湖での、黒の騎士団デビューのカット。
これにより、ユフィがゼロの正体に感づくシーンがなくなる。ユフィにニーナ達が助けられ、ユフィにニーナが心酔するシーンカットされることで、ニーナのゼロへの恨みの源泉が薄〜くなってしまう。
(改変)ナリタ攻防戦で、シャーリーのお父さんの死亡が無くなる。
これにより、シャーリーがルルーシュを憎むことがなくなり、マオ編全カット。そして、父を失った悲しみのなか、ルルーシュとシャーリーのキスシーンがなし。さらに、C.C.によるルルーシュ童貞発言と、ルルーシュのシャワーシーンカット(笑)
ルルーシュは戦いによって、犠牲になる人がいることを自覚し、自分自身と戦うシーンもカットされる。
(改変)「シャーリーと銃口」回カットという大改変。
片瀬少将を狙うコーネリア軍との戦いがほぼ全カットされ、ヴィレッタを撃ったのはシャーリーではなくディートハルト。それによりヴィレッタは記憶喪失になるが扇が拾うのは変わらず。そして、シャーリーがゼロの正体を知ることがなくなる。
シャーリーの父が死んでおらず、ルルーシュをしつこく追う理由が無い為、ディートハルトが撃つ改変には多少の強引さを感じる。ヴィレッタの今後の為には、撃たれないといけないので、辻褄を合わせるには仕方ないかもしれませんね。そしてさらに違和感があるのは、ブラックリベリオンで、シャーリーがゼロの正体をルルーシュだと疑っていた事。ここは辻褄が合わない。テレビシリーズでは、ルルーシュにギアスをかけられ、記憶を消されます。だからこそ、自然にルルーシュを疑うことができますが、劇場版では、ルルーシュにはギアスをかけられていないので、ルルーシュを好きなはずのシャーリーが、ルルーシュがゼロだと疑うのは考えにくい。そこがちょっと強引な感じがしてしまう。
(追加シーン)ラクシャータ達と黒の騎士団が合流するシーン。
中華連邦領事館で、チャイナ服を着たカレン(レア)が拝めるのと、ラクシャータがインド軍区から黒の騎士団にお土産を持って、インドが独立するまでは合流するという流れを追加。
(改変)キョウトとの謁見の仕方が改変。
結果的に桐原とルルーシュが二人で話し、正体を見せるのは変わらないが、その過程と流れは全く違う。そして、紅蓮弐式を送ってくれたのは、キョウトの中でも皇神楽耶だったことが判明。
(追加シーン)買い物中のシャーリーが、モールでルルーシュを見かける。ルルーシュ=ゼロという疑惑を思わせる為にシーンを追加し、ルルーシュを追いかけて探した先に、黒の騎士団が宴会をしている所に出くわし、追い出される。
ルルーシュと黒の騎士団との関わりを匂わすのが、ちょっと強引(^^;
そして、黒の騎士団が騒いでゼロを讃える歌を歌っているのがBGMとなり、黒の騎士団が活動しているところが描かれる。そこで、ちらっとリフレインの現場や、河口湖での攻防、片瀬少将が犠牲になった戦いも描かれる。
(改変)マオ編が全カット。
C.C.がギアスを授けたもう一人のギアスユーザーのマオは無かったことに。シャーリー生存の為、劇場版では存在理由が無くなってしまう。ルルーシュとスザクがチカラを合わせて攻略することもない為、「奪われた仮面」も合わせて、二人のコンビネーションが見られないので、フレイヤを打ち破るシーンの重みが低下・・・。辻褄を合わせるよう、C.C.がピザを食べ、ルルーシュがダーツをするシーンが追加。そこで、ルルーシュの目的が語られている。「ナナリーが幸せに生きられる世界を作る。ルルーシュはその為の影でいい」と。また、ディートハルトが黒の騎士団入りをするのは、テレビシリーズではもっと前の話で、ヴィレッタが撃たれる前には黒の騎士団入りしていたはずだが、シャーリーからディートハルトに改変した為、ヴィレッタを撃った後に黒の騎士団入りする流れとなった。
(改編)東堂救出後のルルーシュとC.C.の会話。
ランスロットのパイロットがスザクだとわかり、黒の騎士団を再編成した後、スザクをどうするか、今後のことをC.C.と二人で考えるシーンがあるが、新しいカットに変更され、ルルーシュの苦悩をより表現している。スザクにギアスをかけること、部下にすることを頑なに拒否し、C.C.が「甘い事を言うな!」とルルーシュを諌める。大切なものは妹のナナリーか。友達のスザクか。
このシーンが「興道」のラストシーンとなり、
「決まっている。俺は無力だった機能に戻るわけにはいかない。
だから!」
と締めくくられる。
興道の総括
テレビシリーズでは、第17話までを描いているので、ちょうど1/3が描かれました。だいたい6話分がカットされたような編集でしたが、いくつか改編がありました。一番大きな改編はシャーリー関連です。他の改編は、それほどストーリーを変化させるものではなかったですが、シャーリーに関しては、テレビシリーズでは物語に欠かせないポイントだったと思っているので、この改変は大きいです。ルルーシュとの恋模様もあまり描かれず、シャーリーが抱く苦しみや孤独、ギアスに振り回されることがなくなるので、物語の持つ切なさというものは、その分薄れてしまいますね。
もう一つの重要な改変
玉城の声優変更により、魅力激減
テレビ版の玉城を務めた田中一成さんが、2016年10月にお亡くなりになった事で、残念ながら声優が変わりました。それにより、玉城という1人の名物キャラの大きな魅力が失われました。代わりを務めたのは檜山修之さん。これだけは誤解しないで頂きたいのですが、檜山修之さんが悪いのではなく、田中一成さんがハマり過ぎていたのです。玉城という格好悪く間の抜けた、愛すべきキャラを見事に表現していました。頑張りたいのにダメ加減が最高にハマっていたのです。
檜山さんは、ちょっとカッコいいんです。幽☆遊☆白書の飛影を担当していたり、格好いい役が多いので、本当はおとぼけなキャラなのに、おとぼけになりきれないというか。
お笑いで言う「ボケ」が「ボケ」にならずリアルに感じてしまうので、どことなく笑えないような感じです。田中一成さんの代わりを務められる人はそうそういないと思いますが、ダサくて格好悪いからこそ魅力のある玉城真一郎には、檜山さんは勿体無いなと思えました。
改めて、田中一成さんのご冥福をお祈りいたします。
コードギアス〜反逆のルルーシュⅡ〜「叛道」
スザクを黒の騎士団に引き抜こうと考えるルルーシュ。しかし、ギアスは掛けずに仲間にするには、スザクが戦争を止める為に首相の父を殺した過去を利用するしかない。そうするしかなくなってしまった事を、醜態だと責める。
そして、黒の騎士団が新体制となり、スザクがユフィの騎士に任命されるところから、叛道は始まる。
改変と追加シーン
(改変)式根島での攻防後、神根島編全カット。
これにより、テレビシリーズでは後からわかる、スザクに「生きろ!」とギアスをかけたシーンは、順当に描かれる。そして、スザクとゼロを攻撃したアヴァロンのシュタルクハドロン砲は、テレビシリーズ第2期に登場するはずのアーニャが搭乗するモルドレットによるシーンが追加。神根島に漂流した後、ルルーシュが強奪したガウェインは、劇場版ではインド軍によるもので、ラクシャータが手に入れて、黒の騎士団所有になった。
「生きろ!」のギアスにより、スザクとルルーシュが助かるのは変わらないが、流された神根島で、ルルーシュとユーフェミアが再会することはなく、学園祭で再会する所に繋げている。
(追加シーン)式根島の攻防後、シュナイゼルとカノンの話すシーン。
スザクへの考え黒の騎士団との繋がりの疑惑、シャルルへの考え、妹好きが語られる(笑)
ユフィの認識がゼロ=ルルーシュになったのは、神根島で2人きりになるがそのシーンは無かったことになり、特区日本の式典の際2人になった時になる。
(改変)キュウシュウ戦没全カット。
これにより、ゼロとスザクの共闘がなくなり、式根島での命令違反によりユフィの騎士を降り、ユフィがスザクに「好き」だと言い、ユフィの騎士に戻ることが描かれず、何もなかったことに。
(改変)学園祭で、扇と千草(ヴィレッタ)のデートカット。ルルーシュとユフィが会い、会話の内容が変わる。
ユフィはゼロの正体がルルーシュだとは知らないが、何か勘付いているシーンに変更。シャーリーがルルーシュを発見したときのセリフも違う。
(追加シーン)ニーナの研究をロイドが発見し、ユフィとニーナの写真が飾ってある。
河口湖のシーンがカットされた為、二人の関係を繋げた模様。
(改変)行政特区日本での、ルルーシュとユフィの会話の内容。C.C.とスザクの会話の内容が改変。
行政特区日本で、ゼロとユフィが二人きりになったときに、ユフィはゼロの正体を知り、「やっぱりルルーシュだった」と反応する。スザクがC.C.の気配に気付き、C.C.が近寄るときのセリフで、「一つだけ答えろ。」の後に「V.V.という・・・」というセリフが追加されている。重要回と言うこともあり、基本的には辻褄合わせ以外改変はない。テレビシリーズでは突然V.V.が登場するので、わかりやすいように一言追加したと思われる。ただ、河口湖の回がカットされた為、ニーナがユフィの仇を打つ為に、核を作ろうとするのはやりすぎなのは否めない。
(改変)ユフィの死に際の演出が改変される。
姉さん、事件です。血染めのユフィがルルーシュに撃たれ、スザクが救出した後、治療の甲斐無く、命の灯火が消えかけます。涙を流し手を握るスザクに対し、「私、うまく出来たかしら?日本の皆さんは喜んでくれたかしら?」とスザクに聞く。スザクは「行政特区日本は、大成功だったよ!」と言う裏で、ゼロは「合衆国日本」を宣言する。命を救われた日本人達が、「ゼロ!ゼロ!ゼロ!ゼロ!」と叫ぶ声が、死に間際のユフィのバックで聞こえ、日本を思うユフィに対し、日本人がユフィを恨みゼロを讃えるという悲劇の演出が薄れ、ゼロ・レクイエムとの対比がなくなってしまったのは、残念で仕方ない。なぜこんな演出に改変してしまったでしょうか。
(改変)ブラックリベリオン開始直前まで、スザクがユフィの携帯からルルーシュに電話をするシーンがカット。
ユフィを殺されたスザクの決意の電話だったのに、カットされたのは残念。
(改変)ブラックリベリオンの描写が少ない。
全体的に戦いのシーンが減っており、ゼロがいなくなった後、陣営が崩れて行くシーンも少なく、黒の騎士団にゼロが裏切った、と思わせる描写が少ない為、後のゼロ粛清への遺恨が薄れる。
黒の騎士団がアッシュフォード学園を占拠した時、シャーリーが「ゼロは私たちを襲わない」と言うが、ここでゼロの正体をルルーシュだと疑うのは、映画版では辻褄が合わず違和感がある。
(追加シーン)戦争後の中華連邦との協力をテレビ電話で確認するシーン。
ブラックリベリオンでの黒の騎士団敗走シーン。
神根島で、ゼロの正体を知り、泣き叫ぶカレン。泣き叫びながら戦場へと戻るシーン。
捕らえられたナナリーと皇帝がCの世界で再開するシーン。
オレンジと海中に沈んだC.C.が血を流しながら浮いていくシーン。
スザクがゼロを捕まえるシーンが、テレビシリーズでは後での種明かしだったが、流れのまま、皇帝へと突き出す。
(追加シーン)ナナリーが生存していたと言うニュースがある。
ラウンズに合流するスザク。ブラッドリー卿やジノ、アーニャ達との会話が描かれる。
ロイドの紹介により、シュナイゼルの部下カノにニーナが拾われるシーン
ナイトオブワンとスザクによるギアスの会話。
これらが、テレビシリーズでの第1期と第2期を繋げるシーンを追加。
テレビシリーズ第2期前半に当たるストーリーは、ルルーシュ目線ではなく、テレビシリーズでは描かれなかった、スザク目線で進行します。
ルルーシュの記憶を改竄し、管理する作戦会議で、ヴィレッタが先生に、ロロが弟役になり、ルルーシュの行動を管理する。
(改変)ルルーシュのぬるい学園生活からのC.C.との再会、カレンのバニーちゃん、卜部の自決からのルルーシュ復活のシーン全カット。
これは大変に残念。テレビシリーズで、あるものとして描いていないのかわかりませんが、特にゼロの正体を知っても尚、ゼロを守り自決した卜部の死は、後々のことを考えるとかなり勿体無い。卜部が浮かばれない(笑)お色気担当のカレンの見せ場も減ってしまい、とても残念。
ただ、ストーリーの流れ上、カットされただけで、劇場版でルルーシュの復活が描かれなかったことは、テレビシリーズで描かれていたものと思われる。ルルーシュの復活は、R2の第1話をご覧下さい!
(追加シーン)スザク目線のシーン増。
ロロの報告を受けルルーシュを管理しているが、ルルーシュの復活は知らず、ゼロが復活し、困惑するスザク。スザク目線で葛藤が描かれるシーンが増えている。
(改変)ロロ雑巾発言カット。
記憶を取り戻したルルーシュが、妹に成り代わったロロへの、ルルーシュのダークな部分と、ナナリーを思う愛憎を描いた重要なシーン。ロロがルルーシュを守って犠牲になると言うカタルシスが薄れてしまう。
「ナナリーがいるべき場所を奪い取った偽物めぇ
散々使い倒して、ボロ雑巾のように捨ててやるぅ」
(改変)太平洋奇襲作戦全カット。
カットというより、無かったことになっている。これにより、「いきなり死ねギアス」のカット。仙波が死亡するシーンがカット。紅蓮弐式飛翔滑走翼の結合シーンからの、紅蓮無双カット。ナナリーがスザクを選び、ルルーシュがナナリーと決別するシーンがカットされた。
(改変)ルルーシュの豆腐メンタルによるリフレイン使用とやけギアスのカット。
太平洋奇襲作戦が無かったことになり、ナナリーがゼロではなくスザクを選んだことで、ルルーシュはゼロを捨てて逃亡してしまう。カレンがルルーシュを見つけ出し、慰めながらも叱咤する。カレンにとってのルルーシュへの思いが変わるシーンが描かれないのは少し寂しい。やけになったルルーシュが、リフレインを売買していた貴族と下っ端に、「腕立て伏せ」「スクワット」「遠吠え」など、やけギアスをかけ他のだが、このカットは、まぁ仕方ない(笑)
(改変)百万のキセキ丸々カット
行政特区日本を再び実行しようとしたスザク達に対して、ゼロは、自らを見逃す代わりに行政特区日本への参加を表明した。そして、「日本人とは何か?」というゼロの問いに対しスザクは、「心だ」と答える。どこで何をしようが、日本人だと思う「心」こそが、日本人たる矜恃だと認めさせた上で、黒の騎士団や日本人は、中華連邦への亡命を計画しており、約100万の日本人が全員ゼロの仮面を被り、その姿を模し、全員がゼロとなって誰一人傷つくことなく、中華連邦へと亡命した。そのシーンは全カットとなり、なかったことになりました。「日本人とは何か?」と考えさせられる大事なシーンではあるので、仕方ないとはいえ勿体無く感じます。
(改変)中華連邦編丸ごとカット。
これにより、ゼロとシュナイゼルの対決、チェスの戦いがなくなる。
天子様とシンクーのイチャイチャも無くなってしまう。V.V.と天子様の声優が大人になった事で、声変わりが大きい。特に天子様は、当時13歳だったので、当然だが大人になってしまった感が否めない。
さらに重要なのは、中華での戦いでカレンが捕虜とされてしまうシーンがカットされる。別の地に出動しているロイドが、紅蓮可翔式をあっさり手に入れてしまうシーンが追加されている。太平洋奇襲作戦がカットされ、中華連邦編全カットにより、紅蓮可翔式の活躍が描かれることは一切なかった。紅蓮ファンは切ないね。せめて画像だけでも(笑)
劇場版では出番のなかった紅蓮可翔式
(改変)想いのチカラ全カット。
中華連邦編が全カットなので当然ですが、ルルーシュがシャーリーに相談し、恋のチカラ、想いのチカラは人を変える、ということを学ぶ。ついでに女心も学ぶ(笑)シーンが無くなる。この時、ディートハルトは人間臭いことを言うゼロへの不信感が出始める。それもカットですけどね。
(改変)生徒会長のミレイの卒業イベント「ラブアタック」がカット。
結果ルルーシュもシャーリーが結ばれるが、シャーリー生存ルートなので、その必要がないからかカットされる。これを機に、ミレイは学園を卒業し、お天気お姉さんになるが、劇場版ではいつの間にかお天気お姉さん。
(追加シーン)ロロからのスザクへの定期連絡で、その表情に違和感を覚えたスザクから、ロロの本名が「ネブロス」と語られる。
ロロの報告を信用しきれないスザクは、直接ルルーシュに会ってを確かめにいく。そこでスザクの合図に気付かなかったルルーシュに成り代わっていた咲世子と戦ったところで、ルルーシュが復活したことを確信し、ルルーシュを管理する機密情報局全員ギアスに操られていたことを知る。「また俺を騙したな」と言うが、この流れだと、それはちょっと筋違いな気が。
この辺りも、テレビシリーズでは、「太平洋奇襲作戦」や「百万のキセキ」でゼロとは戦っていますが、劇場版では無かったことになっているので、シーンがいくつも飛んでおり、辻褄を合わせるように改変しています。一応、スザクの動向に関しては違和感はありません。
(改変)完全な違和感になってしまったシーン。
シャーリーがオレンジのギアスキャンセラーにかかるシーンがある。元々劇場版では、ギアスをかけられる理由もシーンもないのに、なぜかこのシーンは入っている。アニメ版とは違い、そもそもルルーシュがシャーリーにギアスをかけたシーンはない。劇場版では描かれていないものの、シャルルにより学園生徒は全員ギアスをかけられてはいるので、キャンセルされたのは、シャルルのギアスだけ。
(追加シーン)ギアスキャンセラーを使い、ギアスが解かれたシャーリーに話しかけるシーン。
テレビシリーズでは、ルルーシュとシャルルにかけられたギアスが解かれ、シャーリーはもがき苦しむのですが、シャルルのギアスしかかけられていないことになっているので、元の記憶に戻ったことと、ジェレミアが既にルルーシュの臣下となっており、シャーリー生存ルートにするのを明確にする為のシーン。そして、V.V.もジェレミアを泳がせていたことが明らかになる。
(改変)シャーリーがロロに殺され、オレンジの忠義が描かれるシーンをカット。
これは、シャーリー好きな自分としては嬉しくもあるが、物語の大きな破綻にも感じてしまう。シャーリー生存路線の為に、「興道」からシャーリーが殺される理由も無くなる進行になっているので仕方ないが、ルルーシュがシャーリーの犠牲の元、自暴自棄になりながら、ギアス教団を壊滅させ、後に黒の騎士団に裏切られ、ロロがルルーシュを庇って死ぬという名シーンとカタストロフィが薄れてしまう。
さらに、忠義の男「ジェレミア」の忠義が描かれない為、あれだけゼロを恨んでいたオレンジが突然ルルーシュの家臣になっているのが、劇場版だけを見ていると違和感しかない。人気のキャラだけに、もっと大事に扱って欲しかった。
(改変)ギアス教団を壊滅させる理由
テレビシリーズでは、シャーリーがロロに殺されたことで、ギアスそのものを恨み、ギアス教団を壊滅させたのですが、「V.V.にハメられた恨み」という弱い理由になってしまった。さらに、いつの間にかオレンジが仲間になっているので、違和感しかない。テレビシリーズとも違うので、どのようにして仲間になったのかは謎。
(追加シーン)ギアス教団を壊滅させる時に、C.C.のキスがシャルルのギアスへのプロテクトだったと明かされるシーン。
テレビシリーズでは、C.C.のキスの理由は明かされておらず、ファンの間でもおそらくそうだろう、という憶測でしたが、劇場版で謎が解かれました。
(改変)ルルーシュの専用機「蜃気楼」がしれっと登場。
中華編が描かれていないので、ギアス教団襲撃が初出となる。
叛道の総括
叛道は、式根島での攻防から始まり、超合衆国宣言後、「Cの世界」から抜け出し復活したシャルル皇帝が電波ジャックしてゼロへと宣戦布告をする。ナナリーの危険を案じ、スザクにすがるしかないルルーシュが、ゼロであるルルーシュとしてスザクに電話をし、会う約束をして、終了となります。
興道は、細かい変化はあるものの大まかな改変はなく、シャーリーが死なないように、イベントを改変し、カットした所が変更点と言えます。
しかし叛道は、興道とは違い、大きな変更点がいくつもあります。
シャーリーが死なないよう改変した事で、辻褄合わせがかなり大きくなっています。それはまさにバタフライエフェクトが如く、変更点が大きくならざるを得ず、丸々カットされたシーンが多いです。
これにより、物語の厚みがなくなり、ルルーシュの心の変化や、親との決別、敵が味方になり、敵が味方になっていくという黒の騎士団破滅のカタルシスが、物足りなくなってしまいます。
さらに、テレビシリーズで描かれた裏側を描く追加シーンが多く、カットしたシーンも多いため、整合性を取る辻褄合わせ感が強いです。物語の半分近くの約24話分を描いている為、かなり駆け足で描いているので、ストーリーの裏にある重要なポイントは描かれず、辻褄合わせにしている所は、テレビシリーズを見ている者からすると、物足りないと言えるので、劇場版しか観たことがない方は、ぜひテレビシリーズをご覧頂きたいと思います。ちなみに、第1期の18話から、第2期の16話までが叛道で描かれている回です。
コードギアス〜反逆のルルーシュⅢ〜「皇道」
超合衆国連合を設立し、黒の騎士団はその傭兵部隊として、日本を解放するという「東京決戦」の直前から始まります。ルルーシュがナナリーのを守ってもらう為に、一人スザクに会いに行きます。テレビシリーズの叛道に当たる部分では、死んでしまったシャーリーの生存ルートの為、皇道でも、シャーリーが所々出ている。
第2期の17話から9話分を描き、クライマックスでもあるので、大まかな改変やカットはありませんでした。所々、辻褄を合わせる追加シーンが描かれているので、改変シーンを紹介して行きます。
改変と追加シーン
(追加シーン)東京決戦に破れたことで、シュナイゼルによりゼロの正体が暴かれ、ロロがルルーシュを連れ去ったあと、ディートハルトがシュナイゼルに寝返ったことを、扇が殴るシーン。
このシーンは、それほど深い意味はないかと(笑)
(追加シーン)フレイヤを使ってしまい自分を責め、スザクがいなくなってしまったことを、アリエスの離宮で話すロイド、セシル、ニーナの会話シーン。
(改変)シャルルと対峙する前に、ナイトメアを従えて立ち向かいギアスの無駄遣いシーンが、爆破を背景に立ち向かうシーンに変えられている。
(改変)Cの世界にて、シャルルを倒した後のルルーシュとスザクのやりとりのセリフが変わっている。
(追加シーン)無言のルルーシュとシャーリーの会話。そして、ルルーシュに好きだと言う告白。
シャルルを倒した後スザクと和解し、ルルーシュがブリタニア皇帝になる前、シャーリーに電話をしています。ルルーシュと名乗ることはなく無言のままで、シャーリーだけが話しますが、ルルーシュもシャーリーを想っていることを象徴しているように感じます。
(追加シーン)超合衆国に参加表明をした神聖ブリタニア帝国皇帝ルルーシュが、アッシュフォード学園へと向かう中、シャーリーとC.Cが邂逅するシーン。
二人の会話はなく、意味ありげな短いシーン。
(改変)ゼロ・レクイエムのその後。
テレビシリーズでは、カレンの語りでゼロ・レクイエムのその後が描かれますが、劇場版では、カレンとともにシャーリーも登場し、交互に語りが代わり、語られる内容も若干変わっています。そして、カレンが飾っている写真も一枚変わっている。
(改変)ラストシーン
テレビシリーズのラストシーンは、荷馬車に揺られ、積み荷の藁の上でルルーシュに語りかけているC.C.だったが、劇場版ではロバに一人で乗りながら手紙を読むシーンに変わっている。テレビシリーズのエンディングでは、荷馬車を運転しているのがルルーシュ説がありましたが、新作に向けての意図的な改変だと言えるでしょう。手紙の内容も変わっている。
テレビシリーズセリフ
「ギアスという名の王の力は、人を孤独にする。少しだけ違っていたか?
なぁ?ルルーシュ」
と言い、ナナリーに教わった折り鶴がC.C.の隣にあった。
劇場版セリフ
「ジェレミアとシャーリーのやつ、こんな所に運び込んだとは。
なぁルルーシュ、あの日の約束が果たされる時を待ってもいいのか。
それとも、私はまだ、時の中で漂い続けるのか・・・」
ロバの足跡とともに、車輪の跡が続いている。
これは、かなりの改変です!シャーリー生存と同じくらいの改変かと思います。推測になりますが、東京決戦の前、C.C.とシャリーが邂逅したのは、おそらくゼロ・レクイエムのことを伝えていたから。ゼロの正体を知りながら、ルルーシュを好きでいたシャーリーだからこそ、C.C.はゼロ・レクイエム後のルルーシュを任せたのではないか。
ゼロ・レクイエムで、シャーリーは、ルルーシュがゼロに刺される時に、その場にしゃがみ込むシーンが描かれています。劇場版三部作は、あくまで新作映画の為の改変ではあるので、シャリー生存ルートにしたことで、その後もシャーリーが登場しますが、「こんな所に運び込んだとは」というC.C.の発言は、おそらくルルーシュの亡骸を運び込んだという意味であり、新作映画「復活のルルーシュ」に関わる重要なポイントだと思っています。そしておそらく、このことはスザクも知らないことで、C.C.とジェレミア、シャーリーの3人の秘密だろうと思われます。映画の予告が打たれていて、予告ではルルーシュは登場せず、スザクの「破ったな!ルルーシュが作った平和を!」というセリフがあります。そういうところも含めてスザクを中心に描かれながらも、ルルーシュの登場には期待しちゃいますね。
コードギアス三部作の総括
以上、三部作の改変シーンや追加シーンをお送りしてきました。追加シーンに関しては、テレビシリーズでは描かれなかった新情報があるものや、ストーリーを改変したことによる辻褄合わせの為に描かれたシーンもあります。注意すべきは、カットされたシーンが、無いものになったのか、あるものとして展開しているかということです。辻褄合わせに関しては、細かく見すぎても面白くないので、そこを追求し過ぎるのもどうかと思いますが、一番の改変である「シャーリーの生存」に関しては、皇道の最後での推測である、ルルーシュの身柄に関わっている可能性が高いので、「復活のルルーシュ」で納得させていただきたいと思います。
テレビシリーズは、完結しており、その面白さや影響力から、続編が作られることになったと思いますが、その為には、改変するしかありません。ただ、コードギアスの代名詞でもある「ゼロ・レクイエム」に関しては、一切改変していません。「復活」を匂わせるシーンは、シャーリーやラストシーンで描かれていますが、「ゼロ・レクイエム」のその後、コードギアスの世界がどうなって行ったのか。そして、ルルーシュはどうなるのか。あとは、劇場で見るのを楽しみにしています。
コードギアスのコラムは、第1期しか特集していないので、また折を見て、第2期を特集していく予定です。
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