HUNTER×HUNTER特集 第5弾 キメラアント編・前編 〜不朽の名作編の始まり〜

HUNTER×HUNTER特集 第5弾 キメラアント編・前編 〜不朽の名作編の始まり〜

 

HUNTER×HUNTERのアニメは、旧作と新作があり、旧作では描かれなかったキメラアント編が、新作で描かれました。
念能力のインフレとも言われていますが、観れば観るほど、読めば読むほど、ストーリーは深く、巧妙に作られています。こんなの、間違いなく天才にしか描けませんよ!!

あまりの名シーンの多さに、一つのコラムにはまとまらない為、キメラアント編は前・中・後編に分けて、今回は前編をお送りしていきます。

かなりのボリュームになりますが、その分、キメラアント編の魅力や発見を、思う存分お届けしていきます!

 

第4弾 グリードアイランド編のおさらい

ジンの創った「グリードアイランド」を落札できなかったものの、プレイヤーになれたゴンとキルア。
ゴンにだけ残された、「とにかく楽しめ!」というジンのメッセージを胸に、ゲームを開始する。

念が使えないとプレイできないこのゲームでは、プロハンターも多く参加している。代表なのはシングルハンターのツェズゲラ。彼は懸賞ハンターで、優秀なハンターに与えられる「シングル」の称号を持っており、G.Iのプレイヤー審査も務めた。

このゲームの中には「ボマー」と呼ばれる「プレイヤー狩り」がおり、何十人もの犠牲者が出ている。
そんな奴らから身を守るためにも、ビスケが師匠となり、ゴンとキルアに念の基礎と応用を叩き込む。

約3カ月は修行に専念し、いよいよ攻略に入りゲームを進めていく中で、「ゲームマスターのレイザー」と対決するイベントが発生する。
除念師を探すために「クロロ」という名前で参加していたヒソカや、ツェズゲラ達とチームを組み、レイザーとドッヂボール対決をする。

ゴンの狂気(笑)やキルアの超絶センス、ヒソカの活躍などにより、超レアカードをゲットし、クリア目前のボマー達と戦う。
戦闘の差はあるものの、キルアの作戦が見事にハマり、ボマーを倒し、ゴン達がゲームクリアをするのだった。

クリアすると三枚のカードを持ち帰るという報酬があり、ゴンは「アカンパニー」を持ち帰り、キルアと共に、ジンの元に向かうのだった。

ゴンは昔、ジンに連れられてここに来ていた。ゴンが最初に出会ったプレイヤーは「NIGG」という名前で「GING(ジン)」のアナグラムだったのだ。それを見抜いたゴンは、「NIGG」の元にキルアと「アカンパニー」のカードを使って飛んでいくが、そこにいたのは、ジンの弟子「カイト」だった。

 

キメラアント・NGL編

キメラアントとは

暗黒大陸(認識されている世界の外側の広大な世界)から流れ着いたとされる外来種の蟻。摂食交配という特殊な生態系を持ち、栄養価の高い生物が狙われ、ついに人間も捕食対象となり、特に念能力を持った人間を食べることで、生まれた時から潜在的に念能力を持った、より凶暴で強く知性を持った蟻たちが登場する。

キメラアントの女王

NGL潜入

G.Iをクリアしたゴンとキルアは、カイトの元にいた。その頃、キメラアントの女王が流れ着く。女王は傷つき、腕を欠損していており、魚などを食し栄養を補給した。摂食交配という特殊な産卵形態により、次々と兵隊蟻を生み、さらに栄養の高い食材を求め、ついに人間へとたどり着いてしまう。

欠損した女王の指が発見され、キメラアントの存在と、その発見場所が「NGL」という科学を否定した超自然団体の保護区にあり、「自然のありのままを受け入れる」という姿勢から、キメラアントの脅威も自然のものとして受け入れ、未曾有のバイオハザードになる危険を察知し、カイトのチームは「NGL」へと向かう。

 

ジンの弟子カイト

カイト

カイトは、ゴンの父ジンの弟子で、ゴンが子供の頃に、ジンの手がかりを探しに来たカイトとゴンは出会っている。原作とアニメは設定が改変されていましたが、カイトはゴンにとって恩人でもあります。動物に襲われかけたゴンを助け、その行為が軽はずみだったと殴って叱った。

再会した時は、すでにジンを探し当て、一端のプロハンターとして活躍しており、その強さはゴンやキルアの遥か上だった。それは「円」を45m程張ることができることと、NGLに潜入し遭遇した強力な蟻をものともしない強さでよくわかる。

カイトの念能力は「気狂いピエロ(クレイジースロット)」という具現化系の能力で、スロットの出た目によって武器が変わる。カイト曰く、「全くもって鬱陶しい」と言っており、大体「またハズレか…」と言っているが、どの目が当たりなのかは不明。ジンに騙され…教えられてできた能力。

わかっている武器は鎌、銃、棍だけで、能力は鎌の「死神の円舞曲(サイレントワルツ)」のみ発動している。

 

カイトの懸念

カイト、ゴン、キルアの3人で、キメラアントの調査と討伐に乗り出す。何度か蟻が出くわし、カイトは2人の実力を試すように戦わせる。G.Iでの修行によって強くなった2人は、ここでさらに実戦経験を積み、精神的に成長する。

そんな中、カイト達が討伐していることが蟻にも伝わり、兵隊蟻の一団が3人を狙う。

難なく切り抜けさらに歩を進める中、カイトはゴンに「このような修羅場が続くが大丈夫か?」と問う。ゴンは「仲間をゴミって言うような奴等に同情なんかしないと返すのだが、

「それが危険なんだ。仲間想いの奴がいたらどうする?」

と懸念を抱く。これが後に招く惨事への伏線となる。

 

チーム・ポックルの災難

カイト達以外にも、ゴンの同期であり、幻獣ハンターのポックル達がキメラアントの調査をしていた。4人で編成され、プロハンターはポックルのみ。中にはハンター試験を一緒に受けたポンズもいた。何体か仕留めたが、予想以上の危険度に、調査を打ち切り、戻ろうとしたところをキメラアントのザザン隊に襲われる。

並みの兵隊蟻は撃退するものの、オーラが見えて、対応できる蟻も現れ、ポックルも「七色弓箭(レインボウ)」という能力で対抗するが、師団長蟻も現れ、捕まってしまう。生き残ったポンズは、蜂を使ってSOSを出し逃げるのだが、銃を持った蟻に呆気なく殺され、食べられてしまう。

キメラアントの暗躍、念の覚醒

ゴンキルが退治したモズのキメラアント、ラモットが、受けた攻撃により念を使えるようになる。それによって、蟻の中で念能力が使えるものが続々誕生する。そのタイミングでネフェルピトーが生まれ、ピトーに捕まってしまったポックルが、クチュクチュと脳をいじくられ、脳をいじくられ、「あっあっあっあっ」と念能力の情報を引き出されてしまう。

これはHUNTER×HUNTERの中でもトップクラスの衝撃シーンです。
残念ながら、衝撃と共に、キメラアント編の戦犯とも言えます。

※画像はあえて漫画

キメラは元々頑丈な上に、動物的に特徴的な身体、その野生能力にさらに念能力が加わることで、並のハンターでは太刀打ちできない強さを持っていることで、人類の方は、対キメラアント戦を少数精鋭の討伐隊で臨むことになる。

 

カイトの死

女王の巣に近付いたカイト達だが、念能力に目覚めたネフェルピトーの「円」に引っかかり、かなりの距離を一瞬で詰められ、カイトは右腕を失う。ゴンキルにも「怨」という「念」が向けられるが、ピトーは2人を無視し、片腕のカイトを狙う。

現段階では絶対に勝てないと悟ったキルアは、我を失いキレたゴンを気絶させ、為す術なくゴンを連れて逃げる。
カイトの仲間の元に戻り、討伐隊として現れたネテロ達と再会する。

目が覚めたゴンは、止めてくれたキルアに感謝をするのだが、カイトを見捨てたキルアは、ゴンに申し訳なく思う。しかしゴンは、目に一点の曇りもなく「カイトは生きてる!」と言い、闇に沈んだキルアを照らすのだが、カイトは既にピトーに殺されていた。頭だけとなって…

 

カイトの死を知らない二人は、さらなる修行を積み、カイト奪還を誓うのだった。

「カイトは生きてる!」

ちなみに、このシーンでよくネタにされているのがコチラ↓

休載が多い冨樫へのネタですね(笑)

 

ネテロの一言

ネテロが弟子のモラウとノヴを連れて、NGLの女王の住処を視察に行くが、見張りのピトーの姿を見て、

「まずいのぅ。あいつ、わしより強くね?」

とネテロは言う。これが、如何に敵の強さを表しているか。敵の強大さを知るには、十分な一言です。

 

王の生誕と蟻の降参

出産の機を待たずして、予想よりもかなり早く、ついにキメラの王が誕生する。
拳を突き上げ、強引に生まれたことで、女王は瀕死の状態になる。ピトーら王直属護衛軍は、女王から王に忠誠が代わり、王と共に、別の地に向かう。

残された女王と師団長蟻達は、自ら王となるべく旅立った者、女王に忠誠を貫き残る者に分かれた。中でも忠誠心の高いコルトは、人間の時に、妹を守れなかった記憶が強く残っており、何としても女王を守る為に、白旗を持ってモラウ達の元へ渡り、ネテロに引き会わせる。

ネテロは、勝負服である「心」Tシャツを着て、束ねた髪を切り落として気合を入れた。そして、王を知るコルトに、ネテロは自らの「練」を見せ、王に通用するか尋ねる。

「おそらく、王に触れることさえできないだろう。その前に、王直属の護衛兵の誰かに殺されるだろう。」

それを聞いたネテロは、

「嬉しいのぅ。この歳で挑戦者か。血沸く血沸く。」

と不敵な笑みを浮かべる。

王と戦うその時まで、約120歳にして、挑戦者としてその牙を研ぎに行くのだった。

「人を食べない」という約束をし、女王の治療に当たるが、治療の甲斐なく、女王は亡くなってしまう。王の名前「メルエム」という言葉を残して。

コルトは、妹を救えなかった記憶と共に、女王を救えなかったことに涙するが、女王のお腹に、胎児がいるのを発見する。コルトはその子を掬い上げ、今度は必ず守ると誓う。

蟻にとって女王は特別な存在ではありますが、女王の元に残った蟻達は、最早人間だと言えるでしょう。

 

ナックルとの勝負

NGL討伐隊をかけて、ネテロから課された試験は、モラウの弟子、ナックルとシュートの割り符を取ることだった。

ノヴの弟子パームは、ゴンとキルアの味方で、NGLに行く為に協力する。そこでパームの能力によって、ビスケを呼び出し、さらに修行を積む。成長はするものの、ナックル達に勝てるかは五分五分以下。
ゴンはナックルと何度も立ち会うが、キルアは一度もシュートと戦うことなく期限最終日を迎える。直前、ビスケはキルアに直接稽古をつける。ゴリ状態となって。

キルアは、相手と自分の実力差を計り、勝てないと見るや即座に逃げの思考になってしまう。それは、キルアのせいではなく、育てた者の歪な愛によるものだった。

ビスケは、

「あんたはいつかゴンを見殺しにする。この戦いに勝てなかったら、ゴンの元から消えな」

と告げる。

ゴンはナックルとの戦いで、技名を言う時に噛んだ事で、奇しくも必殺技名が「ジャジャン拳」に決まる。ある意味名付け親になったのがナックルだった。ナックルの必殺技は「天上天知唯我独損(ハコワレ)」で、貸したオーラをトイチ(10秒で一割)貸し、潜在オーラを超えると破産(絶状態)するというもの。

キルアはの相手はシュート。疑い深く用心深い性格で、能力は「暗い宿(ホテルラフラシア)」という、与えた攻撃の分、相手の体の一部を籠の中に閉じ込めるというもの。シュートは片腕がなく、拳が3つ浮いている不気味なものだった。それは、引っ込み思案なシュートにとって、一方的に相手を攻撃する事ができず、先に己を傷付けることで、攻撃するというものだった。

ナックルとシュートとの対決に2人は敗れ、ゴンはナックルの能力によって、30日間「強制絶」によって念が使えなくなってしまう。

さらには、パームに殺される代わりに、ゴンはパームと付き合うことになる。

付き合う前後で全く別人になってしまうパームさんがコチラ

before after

女の人って、恋をするとこうも変わるのですね(笑)

そして、シュートに勝てず、呪縛から逃れられなかったキルアは、ゴンが念を使えない30日間、自分がゴンを守り、「30日経ったら、ゴンの元から消える」と心に決める。

 

キルアの覚醒

ゴンとパームがデートに出掛けた日、キルアは、蟻の気配を感じる。ゴンに悟らせない為、風下に誘導し、蟻と対峙する。それは、最初に出会ったモズの蟻「ラモット」だった。

二人に恨みのあるラモットにとって、キルアは格好の敵だった。念に目覚めたラモットは、以前よりも圧倒的に強く、キルアは防戦一方。逃げの思考になってしまっているキルアは、必死に呪縛に抗う。大切な友達のゴンを守る為に…

しかし、意思に反して体は硬直し、顔は恐怖で涙してしまう。

そんな弱々しい姿を見て興奮が収まらないラモットは、ついにトドメを刺そうとする。

その瞬間、キルアは自らを支配していた兄イルミの洗脳針を頭から抜き、覚醒する。

完全にリミッターが外れたキルア!

その姿を見て、今度はラモットが蛇に睨まれた蛙のように怯えてしまい、覚醒したキルアに瞬殺されるのだった。

この覚醒シーンは、作中屈指の名シーンです。原作を読んでいた当時、ハラハラしながら読んだのを思い出します。どうなってしまうのか、キルアが死んでしまうのか?と、一番ハラハラしたシーンでした。

そして、この洗脳針はイルミの独断ではなく、キルアを守るためのゾルディック家の意向でもあったことがわかる。後々、祖父のゼノがキルアに会い、父のシルバが迎えに来た時、

「育っておったぞぉ。イルミの針も抜いたみたいじゃ」

と語っている。キルアを守る為に刺された針によって、キルアは死にかけた訳だが、覚醒したことで、呪縛から解き放たれたのだった。

 

カイトとの再会

NGL討伐隊により、ようやくカイトを取り戻すことができた。しかし、その姿は無惨にも傷だらけで、ピトーの念により操り人形となっていた。

対面したゴンは、カイトの攻撃をわざとくらいながらも、 攻撃をかいくぐり、カイトを抱きしめる。念が使えないゴンにはピトーの念人形は見えないが、カイトをこのようにしたピトーに対しての復讐を静かに決意し、カイトを治す為、仇を討つ為、東ゴルトー討伐隊に参戦する。

 

東ゴルトー潜入

東ゴルドーでの選別

東ゴルトー共和国についた王は、待ち受けた念能力を使える兵を瞬殺する。念能力者を食べることで、その能力を我がものとし、王は更に強くなる。それが王の能力だった。

踊り子達の舞を愉しんでいた総帥のディーゴも王に速殺され、その場にいた踊り子達は、命乞いをする。

そこで王は言う。

「お前らは豚や牛の命乞いに、耳を貸したことはあるか?」

王にとって人間は、ただの家畜でしかなかった。

世界を支配する足がかりとして、東ゴルトーの住人500万人を「選別」する為に、殺したディーゴ総帥を、ピトーの能力によって操り、建国記念大会への全国民参加を促すのだった。

操られた総帥ディーゴ

 

東ゴルトー討伐隊

東ゴルトーに向かう途中、ゴンの念能力が戻る。モラウは、ゴンを試すように、

「まだお前を認めていない。カイトの仇だと思って一発打ってみろ」

と言う。

全力を見せる圧倒的なモラウの姿を前にして、ゴンはピトーのことを考えると、目から光が失われ、見せたことのないような強圧なオーラを放つ。モラウも怯んでしまうほどの。(モラウは内心ビビッていた(笑))

覚醒したキルアとは別に、ゴンは念が使えない30日の間、内なる刃を磨いていたのだ。それは、ゴンの純粋さ故のものだった。

どこまでも純粋な強化系の恐ろしさは、ゴンをみていると本当に良くわかりますね(笑)

 

クモVSアリ

各地に散らばったキメラアントの師団長蟻が、流星街にもその手を伸ばした。流星街出身の幻影旅団(クモ)に報せが届き、彼らはキメラたちを討伐に来る。

ここではヨークシン編で目立たなかったメンバーの戦いが見られた。

フェイタンが、女王ザザンと戦い、追い詰めるもやられかける。しかし、復讐型の念能力「許されざるもの(ペインバッカー)」によって、倒してしまう。

キルアの弟カルトも参戦し、敵を倒すのだが、クモの他メンバーとはまだまだ差があるのだった。

個人的にクモ対アリでオススメなのは、シズク対パイク(クモの蟻)の一択です。
クモの糸との戦いにより、服を脱ぎ下着姿になりますが、何より声が合っていて、とても可愛く魅力的なサービスカットになっています(笑)

ちなみに、声優を担当しているのは荒川美穂さん。

荒川美穂さん

クモ対アリは、言わばスピンオフのような位置付けですが、クモの強さが計られる一戦となりましたが、師団長より強いのは間違いなさそうです。しかし、護衛軍には及ばなそうですね。

 

ゴンとメレオロン

今までのコラムでも、散々ゴンの人間力や狂気について語って参りました。
その中でも、ゴンの魅力の1つに「簡単に信じる」というものがあります。「疑わない」という方が正確かもしれませんが、ゴンは簡単に相手を信用します。それは、安易に信じるものではなく、真剣に信じるとお伝えしましたが、メレオロンとの会話で、それが明確に現れます。

敵であるはずの、カメレオンのキメラアントであるメレオロンがゴンをつけ回し、戦おうとするゴンに対し、「俺は敵じゃない!信じてくれ!」と弁明します。それをすっとゴンは信じるのですが、敵側の人間なのに、簡単に信じられ過ぎて、拍子抜けしてしまう。

そんな2人の、ある夜での会話。

「なんで急に俺の疑いは晴れたんだ?」
「疑ってたっていうか、なんで追われてたのかわからなかったからさ。騙す気がないって誓ってくれたしね。」
「は!?それだけかよ!」
「それで十分でしょ?」
「十分じゃねえよ!違うとか、絶対とか、嘘つきの常套句じゃねぇかよ!」
「じゃあさっきのは嘘なの?」
「俺はちげぇよ!嘘じゃねぇよ?100パートゥルーだぜ!」
そう話した後、
「それに、嘘だったら気が楽だし。容赦しなくていいから。遠慮なく倒せる。」
と、氷よりも冷たい瞳で言い放つ。

これこそがゴンの「信じる」ということです。ある意味狂気じみた信用で、相手からしたら、嘘を言ってたとしたら、ゴンにとっては容赦しないでいい訳です。
メレオロンも仲間になったからよかったですが、スパイとして近付いていたら、逃げてたのでしょうね。

面白いことにゴンは、メレオロンの人間臭さに惹かれたのですが、逆にメレオロンがゴンに惹かれたのは、その狂気にあり、人間離れした怪物性を感じたからだった。
これはキメラアント編のテーマでもあるように思います。
これが王対ネテロにも繋がるテーマになってきますが、それは後ほど述べていきます。

ちなみに、メレオロンの能力は「神の不在証明(パーフェクトプラン)」で、透明になり認識されないようになる能力で、条件を満たすと、「神の共犯者」という、メレオロンが触った相手も「パーフェクトプラン」を使えるようになるという能力です。

 

キルアとイカルゴ

選別を防ぐために暗躍するキルアの元に、レオル隊が襲いかかる。死体に寄生し操る能力「死体と遊ぶな子供達(リビングデッドドール)」持ったタコのキメラアントであるイカルゴは、キルアを狙撃し、キルアをはめるために行動するが、オロソ兄弟という「死亡遊戯(ダツDEダーツ)」という能力を使う兄弟がいる地底湖に誘い込む。イカルゴ自身は大して強くもなく、呆気なくキルアに捕まる。

キルアはイカルゴを脅し、仲間の能力を聞くが、イカルゴは、格好いいイカに憧れ、格好いい生き方を望む男だった。仲間は売れねぇと自らの手を切り、餌を待つ魚のキメラアント達がいる湖に落ちるのだった。仲間を売らないのは目を見てわかっていたキルアは、そんなイカルゴを格好いいからと、ついつい助けてしまう。

その後オロソ兄弟の念能力を破るものの、血を流し過ぎ瀕死の状態に。死を悟ったキルアだったが、「見たらわかるだろ!仲間を裏切ってんだよ!格好悪いだろう?」と、イカルゴがキルアを連れて脱走する。
イカルゴは、「こんな俺のことを、こんなタコな俺のことを、格好いいと言ってくれたやつを、友達になれると言ってくれたやつを、見殺しになんかできるかよ!絶対に助けるからな!」
と叫ぶ。

イカルゴまじ格好いいですよね。キルアにとっては自分を攻撃してきた敵であるのに、素直にイカルゴを格好いいと思ってくれた。
イカルゴはタコであることがコンプレックスであり、タコと言われることさえ嫌だったのに、ありのままの自分を認めてくれたキルアを、助けずにはいられなかったのです。

イカルゴは、格好いい幽霊イカに憧れていたのですが、格好いい生き方に強く憧れを持っていました。だからこそキルアが、タコンプレックスでも格好いいと言ってくれて、ダチになれたのにって言われたことは、イカルゴの「承認欲求」を満たすと共に、支配された今までとは違う、憧れた格好いい生き方をするチャンスを与えてくれたのです。

おかげでキルアはイカルゴに助けられ、王討伐の仲間にもなるのでした。

キルアとイカルゴの関係は、本物の友情を描いています。キルアはイカルゴの承認欲求を満たし、イカルゴの憧れる道に招きました。それは結果であって、そこに狙いも打算もありません。

イカルゴの承認欲求を、キルアは知りません。何の狙いも打算もないからこそ、本物の友情なのです。良い所を見つけようとか、何を求めてるかを探そうとか、それはそれで大事で素晴らしいことですが、自然に意識せずできることこそ、本物の友情だと思います。それは、誰にでもできるものではないし、だからこそ本物の友情だと言えるでしょう。

世間でよくある、「人の良い所を見つけましょう」とか、「相手が何を求めてるかを考えましょう」とか、そういうことを推奨するようなものは、一見聞こえはいいですが、気を付けて欲しいのはそういっている人達の実態の姿ですよね。言ってる事と実態が大きくかけ離れている場合は少し注意が必要だと思うんですよ。こういう人達は本質論をわかってなくて綺麗ごとだけで言っているので本物とはいえません。

それを自然に、当たり前のようにできる人と出会いたいし、友達になりたいし、仲間になりたいし、家庭を持ちたいですよね。

自然体で、苦なく難なくできるような相手であるか、それが、本物の関係かがわかる目安なのかもしれませんね。

 

王とコムギ、運命の出会い

東ゴルドー共和国の住民を「兵隊」に変える選抜。およそ500万人の人口がいる中で、念能力に目覚める人は一万人に1人と言われている為、選抜が行われれば、5万人の兵隊が生まれてしまう。

その決行日まであと6日。王は、時間つぶしの為に、将棋や囲碁の国内チャンピオンと対局する。たった数局で王が勝つようになり、呼び出されたチャンピオンはあっけなく殺されたり、自殺してしまう。

そこで更に呼び出されていたのが、東ゴルトー発祥の「軍儀」という盤ゲーム。世界チャンピオンである少女「コムギ」が呼ばれ、王と運命の出合いを果たす。

コムギ

生まれた時から盲目のコムギは「アカズ」と呼ばれ、訛りがひどく、鼻水を垂らし、みすぼらしい姿で現れ、王と対局をする。しかし、その姿と相反して、軍儀はあまりにも強い!

王にして、

「不細工な。知性、品性の欠片も感じられなく。何故、かような者から、論理の究極とも表現すべき美しい棋譜が、泉の如く生み出されるのだ」

と評する。

コムギに対して、中々勝ち目の見えてこない王は苛立ちを覚える。底の見えないコムギに対して、王が仕掛けたのは「対局に負けたら左腕をもらう」という賭けだった。

「人の呼吸を乱すもの、欲望と恐怖。欲は人の目を濁らせ、恐れは足を竦ませる」

それに対しコムギは、

「左腕ではなく、いつも賭けている、命ではダメですか?」

と返す。

コムギは、いつも命をかけて「軍儀」向かっていたのだ。

盲目で、何もできないコムギは、「軍儀」に勝つことで、「軍儀」に生かされていた。
「軍儀王、一度負ければただの人」という格言があり、ただの人以下のコムギは、ゴミ以下になってしまう。
コムギは、「軍儀に負けたならば、死ぬ」と決めていた。
だから、負けた瞬間ゴミになる私の左腕を差し出すことは失礼ではないかと申し出る。
逆に、勝ったら欲しいものは何かと問われ、「勝った時に考えます」と答る。

欲も恐れもないコムギにとって、王の策である「欲望と恐怖」は通じなかった。目が見えなかったことも、恐怖を感じなかった要素でもあると思います。
しかし、目が見えなかったことで、王を王としてではなく、一人の人間として見ていた唯一の存在なのではないでしょうか?事実、ディーゴ総統が失脚したとは言え、まさかキメラアントが王になっているとは思いもよらないでしょう。
目が見えない、というマイナス要素があったからこそ、コムギは恐怖を覚えることなく、純粋な思いで王と向き合えた、唯一の存在だったのです。

目が見えないことはマイナスではない?

コムギは「目が見えない」という、一見マイナス要素のような、不利になるような性質を持ち、負けたら死ぬという、軍儀に命をかけていたからこそ、「欲望や恐怖」に惑わされることはなく、王と対等に対局することができました。つまり、コムギにとって「目が見えない」というアドバンテージは、決してマイナス要素ではないのです。むしろ、個性であり、コムギの能力を生かすプラスの要素です。

誰にも、コンプレックスやマイナスだと思う部分はあると思いますが、それは、能力を生かすために存在していると思うのです。そして、マイナスだと思うのは意外と自分だけだったりして、人はそれを何とも思ってないことも多いものです。特に、コンプレックスや自分が嫌だと思う所にこそ、隠された力を発揮するきっかけになるかもしれません。

コムギの誓約と制約

コムギは念能力者ではありませんが、「軍儀」に対しては、「負けたら死ぬ」という「制約と誓約」を無意識のうちに掛けていました。強いはずですね。目が見えないこと、貧しいことも、「制約」に拍車をかけているように思います。目が見えないことや、貧しいこと、そういったマイナス要素があったからこそ自然と「制約」になり、「軍儀」に負ければただの人になってしまい、普通の人以下のコムギは、貧しい家庭の中では「軍儀」がなければ家族のお荷物になってしまう。だからこそ命をかけて「軍儀」をしていることが「誓約」になったのです。

その環境と体質によって自然に生まれた「制約と誓約」が、対局を重ねていくうちに、王が追い抜くどころか、更に届かぬ所にまで覚醒してしまいます。

 

キメラアント編の転換点

そんなコムギの覚悟に対し、王は自らの策を恥じる。命を賭けていたコムギに対し、自分は命すらかけていなかったと。左腕をもらう、と持ちかけた代わりに、自らの左腕を引きちぎってしまう。

ーーここが、キメラアント編一番の転換点となります。

師団長蟻でさえ、その強さは強大で手のかかる上に、王直属護衛軍が三人おり、さらに生物界最強ともいえる王がいる中で、コムギの存在がいなければ、或いは蟻が支配する世界になっていたかもしれません。逆に、コムギと出会ったことで、王も達人の呼吸を覚えてしまったから、より強くなったとも言えますが、少なくとも、蟻の王の中に、人の心が芽生えた瞬間であり、自分以外の存在の声に耳を傾けるようになったのだ。

そして、王の自傷という予想外の怪我によって、急遽カイトを修理したピトーの能力「玩具修理者(ドクターブライス)」で王を治療するために、約2キロ四方に渡るピトーの「円」が解かれ、ノヴの侵入と、ゲートの設置がなされ、突入を可能にしたのだった。

 

コムギの覚醒

王は、コムギに出会ったことで、「軍儀」を通して戦略眼が磨かれ、達人の呼吸を感じました。それが後の、ネテロとの戦いに大きな意味を持ってきます。

逆にコムギにとっても、王と出会い、高度な対局を重ねたことで、さらに能力が覚醒しました。それはコムギ自身も驚くほどで、自らの休憩を願い入れるほどでした。その身は、オーラで溢れ、暴力ではない、「軍儀」に特化した念能力が生まれた瞬間でもありました。

その姿を見て、王はコムギの願いを聞き入れるのだが、その時に名を聞くのだった。王直属兵以外に初めて名を聞くのだが、今度はコムギが王の名を聞き返すのだが、王は自分の名前を知らない。
王は護衛軍以外に、初めて名を聞き、その名を覚えるのだった。それを見るシャウアプフは、言い知れぬ不安と嫉妬を覚える。

王は、コムギの姿を見て、強さにも色々あることを知り、これまで殺した者たちのことを考える。その中には、コムギのような特化した能力に目覚める者がいたかもしれない。

プフは、王が後悔するのではないかと不安を抱くが、王が導き出した答えは、「暴力こそ、この世で最も強い力」ということ。コムギのように、例え「軍儀」で勝てなくても、「暴力」によっていとも簡単に殺すことができる。
所詮は戯れ、余の気分一つで如何様にもなる。もう十分遊んだ王は、コムギを殺しに向かう。

 

王の内なる戸惑い

そこで見たものは、鳥に襲われるコムギ。

その瞬間、王は咄嗟に鳥を殺し、コムギを守るのだった。

「なぜ助けを呼ばなかった!?傷だらけではないか!」

殺しに来たはずの王の言葉だった。

「早朝ですから、ご迷惑をかけてはいけないと・・・」

「迷惑などあるものか!お前は大切な客だ!」

と、思いとは裏腹な言葉が口をつく。

コムギも、生まれて初めてかけられた優しい言葉に号泣するのだが、王にとっては、理解できない存在であるとともに、自分がどうしたいのか、わからなくもなってきたのだった。

王はピトーに対し、自分のために使われている円によってコムギも守れ、と命令をするのだった。そこに、人間を家畜扱いする王の姿は、もう無くなっていた。

 

キメラアント編 前編のまとめ

第5弾キメラアント編の前編は、ここまで!

前回のグリードアイランド編の流れから、カイトに再開し、キメラアント編に突入しました。HUNTER×HUNTERの中でも一番長いシリーズでもあり、不朽の名作でもあるので、その分ボリュームも満点です。

キメラアント編から、原作は休載が目立ちましたが、その分、ストーリーの複雑さや伏線、多種多様なキャラが続々登場しました。見れば見るほど、深みのあるキャラ設定や人間関係など、かなり巧妙に作り込まれています。どこまでその魅力を伝えられるかはわかりませんが、このサイトでしか見られないような魅力を、中編・後編とお伝えしていきたいと思いますので、よろしくお願いします!!

 

 

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