HUNTER×HUNTER特集 第10弾 会長選挙編ー② 〜感動の最終回・ジンのメッセージ〜

HUNTER×HUNTER特集 第10弾 会長選挙編ー② 〜感動の最終回・ジンのメッセージ〜

 

ついに、HUNTER×HUNTERシリーズも最終回となりました。原作はまだ続いていますが、アニメシリーズの最終回を迎え、今回はその最終回をお送りして参ります。

会長選挙編は、かなり深いテーマが描かれています。そして、最終回、ついにゴンはジンに出会う訳ですが、そこでのジンのメッセージこそ、冨樫先生の一番伝えたいメッセージなのではないかと思うのです。

というわけで、全148話に渡って放送された最終回を、シリーズの締めくくりとしてお送りして参ります。

 

会長選挙編ー①のおさらい

ネテロ亡き後のハンター協会会長を決める選挙が、十二支んによって執り行われた。会長選挙はただの選挙ではなく、パリストンによる「ジョーカーゲーム」でした。ジンの「ジョーカーゲーム」によって選挙のやり方が決まり、その後はパリストンの思惑の通りに進んでいく。

優秀とは言え「ノーマル」のチードル達十二支んが、どれだけ仕掛けられた「ジョーカーゲーム」の中で足掻いても、真のジョーカーには一切太刀打ちできません。それほどまでに、パリストンというジョーカーが、そして「ジョーカーゲーム」が厄介なものかということがわかります。

そして、ゴン救出の為にキルアは幽閉されたアルカを連れ出すも、イルミがアルカ抹殺に向けてヒソカの手を借りながらの「家族内指令(インナーミッション)」が繰り広げられる。

アルカの中に棲む「ナニカ」は暗黒大陸からきた災厄で、その能力は「おねだり3つ聞いてもらう」代わりに、「おねがい1つ叶える」というもの。キルアはその能力を使ってゴンの救出に成功する。そして、ゴンは心配していたレオリオに会いに選挙会場へ行くと、そこには長年探し求めていた父親ジンがいた。

図らずも予期せぬ再会とは言え、ついにゴンはジンに出会うのだった。

 

ゴンの復活

ジンとの再会

会長選挙が行われ、パリストンとレオリオの一騎打ちの最中、ナニカの能力で元に戻ったゴンが劇的に投票会場に登場する。それにより、パリストンの思惑通り、選挙は決着を迎える。そして、思いがけずもゴンはついにジンと再会する。自分の不甲斐なさを泣きながらジンに報告すると、「きちんとカイトと話し合ってこい」と、すぐに送り出される。再会の約束をするが、ジンが渋ると会場からは大バッシングを受け、ジン対全ハンターの喧嘩が始まる。これは、「ジョーカーゲーム」が解かれたことを意味している。場に流れる空気が完全に変わったのだ。

ゴンはカイト(女の子に転生している)に会いに行き、急いで戻ってきたのだが、そこにジンの姿はなく、「ここ(世界樹のてっぺん)で待つ」というメモが残されていた。

「ここ(会場)で待つとは、言ってなかったなぁ・・・^^;」

 

カイトとの再会

ピトーに殺されたカイトだったが、ジンに教わった能力「クレイジーピエロ」には、「死んでたまるか!」と本気で思った時にしか出ない目があり、その能力によって、ある少女に転生していた(その少女は、メルエムの妹と思われる)。

ゴンが復活する前には、「私の名前はカイトですぅ!」と可愛い姿で復活したことがわかっていたが、ゴンが会いに行った時は、さらに成長した姿だった。これはおそらく、蟻化の影響でしょう。

ゴンは、一緒に戦えなかったことを謝る。そして、今度はカイトを守ると。カイトは、自分が倒せなかった相手を倒したゴンに負け惜しみを言っておくが、もう仲間になったゴンに、力がいる時は連絡すると約束し、ジンに会いに行けと送り出した。

 

最終回

ゴンとキルア

ゴンとキルア、2人にいよいよ別れの時が来る。ゴンは「親父に会う」、キルアは「やりたいことを見つける」という、当初の目的を果たしました。

ゴンとキルアは、ジンがいる世界樹の麓まで行動を共にし、旅行を満喫した後、キルアはゴンを元に戻したアルカ(ナニカ)の存在を伝えます。

蟻討伐の際、ゴンに言えなかった胸の内を嫌味ったらしく吐き出すキルア。本気ではなくキルアらしく嫌味たっぷりで言えたことは、その傷を乗り越えられたことを意味します。

本当は離れたくないであろう2人は、また会う約束を交わし、ゴンは寂しげな顔から真剣な眼差しで見上げ、キルアは笑顔から寂しげな顔になり少しうつむくように歩き出し、2人はそれぞれの道を歩き出す。

ゴンとキルアの別れ・・・

キルアは「アルカを守る」という目的を見つけ、世界を2人で回るのだった。

そしてゴンは、ジンの待つ世界樹の頂上を目指す。

 

理想的な最終回

この最終回は、ある意味理想的な最終回と言えるかもしれません。
物語をフラッシュバックするかのように思い出が蘇ったり、物語の終着点である

「ゴンがジンに会う」

という目的をきっちり果たしています。

そして、カイトの仲間であるスピンが言っていた「コハクチョウ」の群れは、情景的で、ラストに相応しいものでした。原作を読んでいた時は、「あれ、これ最終回??」と思いましたが、更に「大きな風呂敷」が敷かれました(笑)

アニメの最終回にするには、相応しいラストだと思います。

感動のエンドロール

今までゴンが歩んできた物語のその後が、148回に渡りOPを担当した『Departure!』に乗せて、無言で描かれます。

カイトの仲間、スピンの守りたいコハクチョウの群れ。その写真をバックに写るゴンの写真を受け取るミトさん。

討伐隊メンバーの賭けをし、そのお金で高級ワインを買い、ネテロの死を悼むモラウとノヴ。

ゴンの写真を見る討伐隊で仲間になったメンバーたち。

2人で旅をするキルアとアルカ。

医学の勉強に勤しむレオリオ。

仲間の眼を見つめるクラピカ。

ゴトーのお参りをするカナリアとアマネの前に現れるゴトー(の偽物)。

そして、メルエムとコムギが、帥と忍の駒が寄り添う横で、手を繋ぎ、果てていた。

最後は、コハクチョウの群れを眺めるカイトチームとゴン。

無言でも何を言っているかわかると言うのは、これは最早芸術の域ですね。キャラ達が自分たちの中で生きている証拠だと思います。

 

親子の再会

1700メートルを超える世界樹のてっぺんで待つジンに会いに、ゴンも登木する。

選挙会場で一度あったものの、今度は親子水入らず(どデカイ雛はいるが)で、親子の会話をし、ゴンはずっと聞きたかったことを聞くのだった。

ジンが欲しいもの

「今、目の前にないもの」

ジンがハンターになろうと思ったのは、当時行きたかった場所に入るのに、ハンターになるのが一番現実的だった。

その場所とは、ある王族の埋葬施設とされていたが、口外厳禁で信頼に足る団体の自費調査、というのが調査条件だった。
これは実質、調査できないというものだった。見返りも業績も求めず大金をつぎ込める奴はいない。ただ真実を知りたいと思う酔狂でない限り。
だからこそジンはチャンスだと思い、ハンターとしての実績を積み、15歳の時に特定非営利活動法人を設立し、王墓の調査と修繕を行なった。(これが、ハンター試験のサトツが憧れたジンの姿だった。)

ジンは常に「今必要なもの」追っている。実はその先にある本当に欲しいものなんて、どうでもいいくらいに

この言葉は、まさに「イマココ(今を真剣に生きる)」という意味に尽きます。どうなるかわからない未来の為に生きるより、目の前にあるものを追い今を生きるということ。むしろそう生きることが、未来にある「本当に欲しいもの」に辿り着く方法であり、一番の近道なのかもしれません。

チームが集まった時、皆ジンより年上で、色んな立場の人間だった。ジンの素性と計画を打ち明けたら、皆率先してそれぞれができる仕事をこなし、寄付までくれた。
念願叶って王墓に足を踏み入れた時、一番嬉しかったのは、ずっと願ってた王墓の真実を目の当たりにしたことではなく、一緒に足を踏み入れた仲間と顔を見合わせて握手した瞬間だった。今でもその仲間は無償で役員をしながら、必要な情報をくれる。一番の目的の王墓の真実は、おまけでしかなった

「大切なものは、欲しいものより先に来た。」

ジンが語ったこの言葉は、人生の真実ではないでしょうか。

それを聞くゴンは、キルアを思い浮かべていた・・・

ジンの言葉は、冨樫からのメッセージ!?

世界樹のてっぺんで、親子の会話があるが、BGMが大きく、何を話しているかはよくわからない。これは、演出の粋な計らいだと感じます。

物語の最後の言葉は、

「道草を楽しめ。大いにな。

 欲しいものより大切なものが、きっとそっちに転がってる。」

というジンの言葉でした。

パリストンが「ジョーカー」たる所以も、ジンとはタイプが違うものの、ゴールを本当の目的にしていない所です。まさに、勝とうと思ってないが、負けるつもりもない。つまり、今を存分に楽しみたいという、道中を楽しむ「道楽家」なのです。

 

ワンピースに見える共通点

現在少年ジャンプで掲載中の大人気漫画『ワンピース』は、「ワンピース=ひとつなぎの大秘宝」を巡る物語です。グランドラインを制覇し、ワンピースを手にしたものが「海賊王」の称号を手にします。

 

主人公のルフィも、海賊王を目指しますが、ルフィの目的は「ワンピース」を手に入れることではありません。

ルフィは「この海で一番自由な奴」こそ、「海賊王」なのだと言います。つまり、海賊王になる為に海に出たのではなく、一番自由な奴になる為に海に出たのです。

そして、ルフィは海賊なのに、財宝にそれほど興味はありません。それよりも、戦いの後の「宴」の方が一番の楽しみにしているように見えます。

「ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)」そのものが何かということは、まだ不明で明言されていませんが、考察等では、「ひとつなぎの大秘宝」は、「人繋ぎ」とも言われています。つまり、グランドラインを制覇し、本当にあるかわからない「ワンピース」を手に入れるまでの人との絆こそが「ひとつなぎの大秘宝」というものです。

おそらく、そんなオチになるのではないかと予想しますが、まさにジンが感じたものそのものだと思うのです。

欲しいものを手に入れることよりも、その道中に手にしたものの方が、本当の価値がある。

だからルフィは「宴」をするのだと思うのです。一緒に戦った仲間と共に

さらに言えば、ルフィが「海賊王」になったとして、讃えられたとしても、ルフィは「海賊王」の称号はすぐに手放すのではないかと思います。「海賊王」になった時点で、不自由を感じるのではないかと思うからです。

『ワンピース』『ハンターハンター』が面白く、人気がある理由は、こういう所を描いているからだと思っています。ストーリーそのものは王道の構成を保ちつつも、主人公のキャラクターや生き様などは今の時代(のニーズ)に合っていて、必要なものが描かれている。だからこそ「神アニメ」であり、世界中で大人気となっている秘密でしょう。

 

欲しいものを手に入れることが幸せか?

意外と、欲しいものを手に入れた喜びよりも、手に入れるために追いかけていた時の方が幸せだったってことありますよね。
例えば、大好きな人がいて、思い続けてついに結ばれた。それは嬉しくて幸せの瞬間なのでしょうが、結ばれたら結ばれたで、見たくないものや嫌なことも出て来て、現実は意外とめんどくさかったりします。(笑)(もちろん、それも含めて本当の幸せなんだと思いますが・・・)

望む物を手に入れることやプレゼントされることよりも、その過程で得られるものや、自分が欲しい物より、真剣に自分のことを思ってプレゼントを選んでくれたり、常に自分に関心を持って考えていてくれる、「裏」にある思いこそ、本当の愛や幸せを感じられるものだと、私は思います。

 

夢を叶える力のある「夢追い人」こそ「ジョーカー」

振り返れば、恋愛なんかは、相手を密かに想っていた時の方が幸せだったってこともあったりします。それは、自分が見たいものだけを見ていればいいからです。ある意味「夢追い人」であることは幸せなことです。ただ、追うだけで手に入らないのであれば、あまり魅力はありません。そうです、人間は欲深い生き物なのです。(笑)

ジンのように、夢を追い、手に入れる力が必要ですが、欲しいものを手に入れることを目的にしていたら、手に入れて終わりです。もしかしたら「こんなはずじゃなかった!」というオチが待ってるかもしれません。

夢を追い続ける「夢追い人」であることは幸せです。ただ夢を「目的(ゴール)」にしないことです。夢はあくまで目標であり、進むべき方向です。その道中で得られるものこそ、本当の目的になり得るのだと思います。

夢を実現させる力のある「夢追い人」こそ、私たちが思い描く「ジョーカー像」です。

本当の目的は、

「何度も夢を実現させながら、その道中で得られるもの」

であり、その生き方が「ジョーカー」だと言えます。

私たちは、そのように生き、酔狂な同志と繋がりたいと思っています。

だって、その方が面白いから!!(ドンッ!!!)

それだけです。^_^v

 

ジンが語る外側の世界「暗黒大陸」

ジンが今求めているものは、外の世界「暗黒大陸」にあります。

しかし、「暗黒大陸」に行く為の条件である「許可」「手段」「資格」「契約」のどれもまだ持っていない。でも急いでもいない。道中を楽しんでる最中だ、とゴンに伝える。

 

暗黒大陸編

暗黒大陸に触れてしまったので少しだけ(笑)

現在原作は休載しながらも続いていますが(笑)、作中では「暗黒大陸編」が描かれています。厳密に言えば「王位継承編」ですが、「キメラアント」や「ナニカ」は「暗黒大陸」から外来したものです。
「ナニカ」は五大災厄の一つでもあり、人類を滅ぼしかねないほどの「リスク」があります。それに見合うだけの「リターン」もありますが、その本体といえる存在が「暗黒大陸」にはあります。

これはあくまで私の予想ですが、暗黒大陸は、ちらっと描かれました。

暗黒大陸(ネテロを探せ!)

暗黒大陸で生き残るのは、個の強さではありません。あまりの大きさ、環境の過酷さなので、人間1人の力ではどうにもなりません。

今年の夏は、尋常でない暑さが続いたり、各地で大きな地震があったり、大雨や台風による災害が起き、甚大な被害がありました(被害に遭われた方の心中をお察し致します)。

過去にも大地震や津波など、ここ数年で数々の災害がありましたが、人間個人の力では、剥きだしの自然環境や自然災害には到底勝てません。そして、勝つというものでもありません。

暗黒大陸に必要なものは、環境に対応する能力や、変化する力だと思います。

キメラアント編で、個の極致は描いたのではないかと思うので、神・冨樫の中では次の段階に移ったと思います。剥き出しの自然を相手にするにはどうしたらいいのか、人の手には追えないような災厄を相手にどうするのか。

明確な答えはないまでも、おそらく冨樫の頭の中には既に薄っすら見えているのではないでしょうか。
だからこそ、「死ぬまでにハンターハンターを完結させたい」と語っており、ハンターハンターが冨樫の人生を掛けた作品であることが伺えます。既に連載してから20年が経ちます。冨樫が描く「ハンターハンターの世界」がどうなっていき、物語がどう完結するか?

どうか、お互いの命が尽きる時までに、ぜひ見せて頂きたいものです!

 

おまけ

ゴトーさん、ありがとう

ゴン救出の際、キルアを守る役目として同行したゴトーさん。キルアとはぐれ、森の中で出会ってしまったのはヒソカ。カナリアとアマネを逃し、相手を引き受けたものの、呆気なくヒソカに殺されてしまう。ここでゴトーが退場したのは残念です。死ぬ理由が感じられず、「無駄死に」とも言われていますが、それが神・冨樫の意向なら仕方ありません。まぁ、鵜呑みにしないことが大事だと、先に述べてますけどね(笑)

カナリアは特別な執事?

ちなみに、キルアの警護に付いてきた「カナリア」は、実は特別な存在です。その理由は、ゾルディック家の執事は、基本3文字の名前です。ゴトーを始め、ツボネ、アマネ、カスガ、ミツバなど、3文字の名前がほとんどです。その中にあって、キルアも「友達になって」と言った相手は、おそらく「カナリア」だけでしょう。それは、ゾルディック家のルールを外れた4文字の名前であることに起因するのかもしれません。ちなみに、ラテン語では「犬」という意味だそうです。今後、ゾルディック家ではなく、キルアに使える執事になるのかもしれませんね。

レオリオの嘘

会長選挙にて、ゴンを見舞わないジンの態度に痺れを切らし、自らの念能力によって、ジンをブッ飛ばした。それにより、会長選挙に担ぎ上げられ、演説をした際に、「これ、嘘だろ?」という所を発見しました。

「ゴンが仲間と命かけて戦ってる時に、俺は、女連れ込んで・・・」

というくだり。レオリオが女連れ込むなんて嘘だろ!連れ込める訳ないだろ!?と突っ込んでしまった(笑)いや、優しくて、人を安心させる心音の持ち主なので、決してモテない訳ではないと思いますが・・・(笑)いや、単に受験勉強してたから、そんな時間ないだろ?って意味です。まぁ、深い意味はないです(笑)

 

ゴンの背中に「王」の文字が

ジンに会いに向かう世界樹の麓で、ゴンの背中に「王」の文字が浮かび上がる。「王」とは、もちろんメルエムを連想させるものです。何か意味を感じますよね?別に、ゴンが王になるとか、特段何の意味もないかもしれませんが、何かを感じさせるものがあります。

最終話

もしかしたら何の意味もないかもしれませんが、ゴンが背負うカバンは、第1話から使用しているもので、既に「王」の文字は浮かび上がっているのです。そう考えると、何かを暗示しているように感じなくはありません。メルエム生存説もありますが、それを予期する伏線かもしれないし、ミスリードかもしれないし、偶然なのかもしれませんね。

第1話

 

会長選挙編 まとめ

ついに、HUNTER×HUNTER特集も最後を迎えました。コラムも第10弾にまでなるとは、全く思っていませんでした(笑)

今回もかなりのボリュームになりましたが、全コラムを読破し、感想を知らせてくれた方には、何かプレゼントをしたいと考えております。ナニカ・・・

「あい・・・」

 

HUNTER×HUNTERファンの方々は目が肥えているので、並みのコラムでは反応しないとは思いますが、私なりにHUNTER×HUNTERと向き合い、様々なことを発見しました。別に考察合戦をするつもりはないので、文句を言われても議論するつもりはありません。(笑)ただ、隠された魅力や、作者が込めた思い、何が言いたいのかということを探るのが好きなので、そういう視点でお送りしてきました。

物語の完成度としてはキメラアント編が群を抜いていると思いますが、会長選挙編は、物語の構成というよりも、「ジョーカーゲーム」「ジョーカー」という存在。そして、ジンを通しての、冨樫からのメッセージこそが、注目すべきポイントなのではないでしょうか。

少なくとも、私の今年のテーマである「道楽(道中を楽しむ)」というものは、ジンの言葉や姿から来ています。遠い未来を見て生きるのではなく、過去を元に生きていくのでもなく、今目の前にあるものを見つめて生きていくこと。それが例えば道を逸れて遠回りになったとしても、道草を楽しんで進んで行くことこそが、一番大切なものを手にすることができる。失敗をしても、悔やむだけではなく、失敗したからこそ得られるものがあります。それを得るために失敗したのだとしたら、それは失敗でも成功でもなく、道草に咲く花のようなものです。

道草をしないと得られないものは、それは価値があるものです。もしかしたら、それこそ最も価値があるものかもしれません。

あなたも、道中を楽しむ「道楽」に生きてみませんか?

それが、「ジョーカー」であり、なにものにも縛られず自由に生きる方法の一つであると思います。

 



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