ソードアート・オンライン(SAO)平成アニメの代表作にして、近未来を描くゲームアニメ
ー2022年、人類は完全なる仮想空間を実現させた。
この物語は、ゲーム内の仮想空間にフルダイブしてプレイするゲームのお話。
フルダイブとは、意識ごとオンラインの仮想空間に没入することで、テレビを見てコントローラーを持ってゲームするなんて遠い昔のような話に思えます(笑)
そういった近未来の話ではありますが、もしかしたら本当に起こり得る設定であり、問題点なども描いていて、物語の面白さはもちろんですが、それ以上に重要なテーマを描いているので、ぜひ観て頂きたい作品ということで今回取り上げました。
近未来モノという意味では以前取り上げた「サイコパス(PHYCHO-PASS)」と合わせて、これから起こり得る未来を描いていると思います。
「サイコパス」は約100年先の話であり、SAOは数年後を描いているので、時間軸の差はありますが、それぞれ、その時にそうなっていたら、どうなるのか、ということを見事に描いていると思います。
サイコパスのコラムはコチラ↓
SAOは、第2期まで放送されており、第3期の放送も決定しています。
第1期、2期それぞれ2クール25話ずつ放送され、トータルで50話あり、それだけでも人気アニメと言えますが、中々のボリュームではあるので、まずは第1期の25話分だけでも押さえておけば、おそらく第2期を飛ばして第3期に入っても問題無いのではないかと思います。
ソードアート・オンラインを虹見式で採点してみると・・・
虹見式・六性図 | |
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①キャラクターの魅力 | 13 |
②ストーリー | 13 |
③声 優 | 13 |
④主題歌 / BGM | 12 |
⑤キャラデザイン / 作画 | 13 |
⑥感動度 | 22 |
合 計 | 86 |
ということで、暫定13位にランクイン!
王道作品であり、幅広い層に受ける内容であると共に、予言になるような設定や近未来アニメということで、全体的に高ポイントになりました。男性は女子キャラを、女性はキリトを目的に見るのもアリかも!?
ソードアート・オンラインのざっくりストーリー
仮想現実の世界とリンクしたゲームで、ゲーム内で死んだら現実でも死んでしまうという、デスゲームが繰り広げられる。そんな中での主人公キリトの活躍と、ヒロインのアスナや他の女子プレイヤーとの恋模様が、ゲームとはまた違うドキドキを与えてくれる。
ソードアート・オンラインの見どころ
SAOは近未来型のVRゲーム設定
未来の進化しているVRゲームという設定になっています。
既にVRのゲームも始まっており、オンラインゲームが本格的に始まってからはさらに年数が経っています。VRはまだ今後も進歩の方が大きいでしょうが、仮想空間の精度が上がり、VRの性能も高くなれば、SAOの世界が創られることも不可能ではありません。
個人的にオンラインゲームが出てきた頃は正直あまり好きではなかったのですが(今でも好きではありませんが)、今やスマホのアプリなど、ほとんどがオンラインゲームになっています。つまり、好き嫌いに関わらず、オンラインゲームは最早当たり前になってきているので、ゲームをやる上では、オンラインというのは切っても切り離せなくなってきています。
その上でVRも進化していくと、行き着く所は「ソードアートオンライン・SAO」の世界になるだろうと予測されます。
昔と違って、今はどこでもスマホアプリでゲームができる時代です。ゲームが生活の中に溶け込み、より身近になった今だからこそ、ゲームの世界のアニメではありますが、入り込みやすいのではないかと思います。
ゲーム内で死んだら現実でも死んでしまうデスゲーム
世界初のVRMMORPGで、茅場晶彦によって開発されたゲーム。(VRMMOとは、仮想現実大規模多人数インラインという意味です)
ナーヴギアというヘッドギアを装着し、脳に干渉することで意識ごと仮想空間に接続し、ゲームの中に入ることが可能になった。ログアウトすれば目が覚めて、ゲームの世界から離れることができるのだが、SAOにはログアウト画面が表示されず、ログアウトするこのができない。即ち、自力でゲームの世界から出ることはできないのだが、もし誰かが強制的にナーヴギアを取ってしまうと、脳に電波を送り、殺してしまうような仕組みになっていて、ゲームをクリアする以外に、生きてゲームから脱出する方法はない。ゲーム中は、現実世界の肉体は恐らく病院に搬送されており、点滴を受けながら目覚めることを待っているのだと思います。
意識ごとゲームの世界に入るということなので、デスゲームになるかは別ですが、ログアウトできないというトラブルがおきたり、脳に異常をきたしてしまう問題は起きそうなものです。
もしかしたらですが、例えばガンダムは宇宙を舞台にするため、 「ニュータイプ」と呼ばれる、第六感的なものが鋭くなるスペースノイドが生まれることを描いていますが、SAOのようなゲームができることで、脳に今までになかった刺激が送られることで、新人類が誕生するということもありえるかもしれません。
※ナーヴギア
一つだけのゲームでは終わらないので飽きずに見られる。
第2期まで50話放送されていますが、大きく分けて4部構成になっています。
第1部は「ソードアート・オンライン」という剣の世界が舞台になったゲーム世界で、ゲームクリアするまで、ゲームで死んだら実際に死んでしまうというデスゲームです。
第2部は妖精の国が舞台のゲーム世界で、飛ぶことができるような設定の新たなゲームです。(1部と2部は第1期で放送されました。)
第3部は銃の世界が舞台のゲームで、1部、2部とはまた違ったストーリー展開となっています。
第4部は妖精の国が舞台ではありますが、ストーリー展開はソードアート・オンラインが合わさり、妖精の国でSAOのダンジョン攻略をしていきます。そこで、今までとはまったく違う参加者が現れ、新たな可能性と問題を定義します。
(第3部と4部は第2期で放送されました。)
ゲームは違えど主人公はキリトで、当然のフル出場です(笑)
キリトの活躍
ソードアートオンラインと言うだけあって、剣が武器のOLRPG(オンラインロールプレイングゲーム)です。「ギルド」と言われるチームを形成し、何かしらのギルドに所属してレベルを上げてクエストをクリアしていくのですが、キリトはソロプレイヤーで、誰ともチームを組まず進めていきます。元々、ベータ版のテスターをやっていたので、他のゲーマーよりは優位な立場ではあったが、「チートなベータテスター」略して「ビーター」として名を馳せていた。
キリトがソロプレイヤーでいるのには理由があり、わかりやすい設定ではありますが、居心地の良かったギルドに誘われて参加した際、自分の不注意で全滅させてしまった過去があり、SAOはゲームで死ねば現実でも死んでしまうため、キリトの心に大きな傷を残し、チームを組んでギルドに入るよりも、ソロプレイヤーとして活動することを選んだのです。基本はソロで活動し、ところどころでは小チームを組んでアイテムをゲットしたりすることはあります。ボス攻略戦は、一人で倒せるほど弱くはなく、基本数十人で攻略するので、そこには参加したりしています。このように積極的にゲームクリアを目指す攻略組の一員として、最前線で活躍する強さを持っています。
基本的にいい奴なので、いい奴だからこそ仲間の死に責任を感じたのですが、困った女の子を助けたり、放っておけなかったり、最後にいいところを持っていくので、大概プレイをともにした女の子はコロっといっちゃいます(笑)
キリトは独自の強さを持ち、ユニークスキルと言われる、全プレイヤーで唯一使えるスキルを身につけました。それはおそらくソロプレイヤーだから身につけられた能力なのではないかと思っています。そういういい奴で強さを持っているから、モテて当然かもしれませんね。
※キリト
そして、キリトを担当する声優は当サイトでも押している松岡禎丞さん。これがまたキャラとマッチしていて、優しい声をかけるときのキリトの優しさや、敵と戦うときに叫びながら戦う姿とか、まさに動と静をコントロールした言い回しはさすがです。
個人的な話ですが、「Re:ゼロから始める異世界生活」のペテルギウス役を演じた時の松岡禎丞さんにドハマリしたんですが、その役柄の狂気さ異常性とはまったく違う、まさに王道キャラのキリトを演じていて、声優としての幅広さは、これから更なる活躍をしていくことになると思います。
※松岡禎丞
アスナとの関係
モテモテのキリト君ですが、その中でも特別な存在がアスナです。
キリトを巡って、複数人の女の子が想いを寄せます。犠牲になったことでキリトがソロでやっていく決意をさせたサチ。犯罪集団を取り締まる為の餌にされたシリカ。キリトの剣を作る為に素材を一緒に取りに行ったリズ。事件解決の為、共闘するも命を助けられたシノン。などなどがいますが、キリトの心を射止めたのはアスナでした。
サチは死んでしまったのでしょうがないですが、皆可愛くてそれぞれ違った魅力のある存在なのですが、なぜアスナだったのか、ということに理由があることを発見しました。それは、アスナ以外は、キリトに守られる存在なのですが、アスナだけはキリトを守れる力もあり、キリトと肩を並べることができること。それと、料理の腕があることです(笑)剣速はキリトも敵わないほどで、共にチームを組んだこともあったり、キリトが超レア食材を手に入れて、アスナがそれを調理して食事をしたり、キリトのできないことをアスナがカバーできた為、他の女の子とは決定的な違いがあったのです。
デスゲームと化した SAOの世界では、守られることは大きな意味を持つのでしょう。守れなかった傷を負ってしまったキリトにとっては、アスナはより特別な存在になったのだと思います。また、SAOはゲーム内で結婚できるシステムがあり、ゲーム内で二人は結婚して家を買い、一緒に暮らします。現実世界に帰れても一緒になろうと想い合っているのですが・・・
※アスナ
ソードアート・オンラインに見る様々な可能性
VRMMOの開発ができたとして、実際にSAOで描いでいるような事が可能になった時に、どんなゲームができるようになるか。また、こんなゲームがあって欲しい、あったら絶対売れる!という案を紹介していきます。
トレーニングゲーム
体術訓練などは、ゲームで済ませてしまうということも起こり得ます。作品の中で、キリトは剣の達人になりますが、現実世界でも剣の構えや剣さばきなどは健在だったりします。SAOはデスゲームですが、そういうリアル育成ゲームみたいなものはでてくるかもしれませんね。一時期の脳トレゲームが流行ったように。例えば、剣道や空手などの「型」を身につけるのに、ゲームを利用して体に叩き込みことができるようになるかもしれません。もちろん剣道や空手だけではなく、色んなスポーツの一流プレーヤーの「型」となる動きをシュミレーターで記憶し、その動きを体感して覚える、なんてことも、できるようになるかもしれません。自分ならそういう体感ゲームがあればやってみたいものです。
婚活ゲーム
婚活ゲームなんてものもありそうですね。キリトがモテたように、アスナと結ばれたように、一緒にゲームをすることで、コミュニケーションを取ったり、フィーリングや相性もわかりそうです。
ヴァーチャルの世界なので、例えばセクハラとかストーカー行為とかは、ゲーム上の設定をいじればなんとでもなりそうだし。元々オンラインゲームはオフ会があったりして、それがきっかけで付き合うこともあるとかないとか(笑)
歴史ゲーム
歴史上の人物と対戦することも可能です。普通の歴史ゲームは、キャラの誰かを操ってストーリーを進めたりしますが、あくまで外からコーントロールするのが今のゲームです。それが仮想空間でのゲームであれば、自分自身がゲームの中に入るので、直接誰かと戦うことがてきます。逆に、自分がその人物になって、歴史を追体験することも可能です。
「信長の野望」とかは、人気ゲームで色んなシリーズがありますが、自分が信長になれるゲームができれば、絶対人気がでると思います。
アニメ化ゲーム
アニメの仮想空間ができれば、アニメの世界に入ることも可能になります。作り物の着ぐるみなどや、誰かが演じるショーなどではなく、そのままその世界に入れるとしたら、アニメファンからしたら、それはたまらないと思います。憧れのアニメの世界に入ったり、ドラゴンボールの孫悟空になることもできるかもしれません。そうなれば、夢の「かめはめ波」が打てるかもしれませんよ!
・・・ ・・・ ・・・
こういった夢のようなことも、VRが進化していけば可能になるのではないかと思うので、色んな危険や問題も当然でてくるとは思いますが、歴史の勉強であったり、学びになるゲームや、さらに進化したエンターテインメントが可能になるのは間違いありません。
普通にSAOができるなら、やりたいと思うし、SAOの第二部では妖精になって空を飛べるゲームなので、絶対やりたくなりますよね。
デスゲームは御免ですが、また一段も二段も人類は進化することになるかもしれません。
身体が不自由な方向けのゲーム
第2期の4部のテーマにもなっているのが、まさにどう医療に生かすか、ということでもあります。詳しいことはネタバレにもなるので伏せますが、例えば足が不自由で歩けない方がこのVRMMOゲームの仮想空間に入れば、ゲーム内であれば自由にも歩くことができます。もちろん、それで現実に歩けるようになるわけではないですが、歩けない方にとっては大きな希望になるゲームになるかもしれません。
もっと言えば寝たきりの方からしたら、動くことさえできないのに、ゲームの世界ではのびのびと動けるようになります。精神ケアの観点からも、有用なアプローチになるかもしれません。
また、盲目の方であれば、ゲームの世界では視力に関係なく見ることができるので、視力を復活させるわけではないですが、これもニーズがありそうです。例えば、写真や動画をインストールできれば、大切な家族の姿や思い出が見られるようにもなります。美しい景色だって見ることができます。現実には不可能なことが、ゲームの世界であれば、実現することも可能です。
ただ、脳に障害がある人に対してどれだけ効果が望めるかはわかりませんが、例えば言語障害や自閉症の方などの言葉や本音が、ゲームの世界では聞けるようになるかもしれません。できることを前提に進めますが(笑)、これは本人だけがゲーム内に入るだけでも大丈夫です。あくまでゲームなので、ゲームをディスプレイで見ることができるので、音声や映像を繋げれば、コミュニケーションを取ることも可能です。まぁ、ゲームがないとコミュニケーションが取れなくなってしまうのは本末転倒ですが、少なくとも、ゲームだからできることや、こうだったらいいのに、ということを実現させることができるかもしません。
VRMMO進化で起こり得ることや問題
ゲームでのお金稼ぎ、プロゲーマーの存在
今でもプロゲーマーと呼ばれる人は増えていますが、もちろんそういう意味でのお金稼ぎはできると思います。それとは別に言いたいのは、ゲーム内での使用される貨幣を現実世界と換金するというシステムです。SAOでも話には出てきますが、ビットコインなどの仮想通貨もある現在、お金稼ぎ専用のゲームも登場するかもしれません。
また、参加者が多いゲームなんかは、広告効果も大きいので、ゲーム内に看板広告があったり、CMが流れたりして、そういった面でもお金が動くことは重々に考えられます。それがゲーム制作を促し、イベント等で賞金を稼げる、なんてこともあるかもしれません。そういったお金を稼ぐゲームやプロゲーマーが出てきそうです。
オンラインゲーム・VR廃人になる危険性
今でも「ネトゲ廃人」と揶揄されることもあります。以前取り上げたコラムの「最上もが」さんも8年間ゲーム漬けでネトゲ廃人と自他共に認めていました。
ちなみにそのコラムはこちらから↓
子供の頃は親に「ゲームは1時間まで!」とよく言われましたが、まあ確かに、そうしないと特にRPGはついつい長時間やってしまったりします。最近のスマホアプリでは制限回数があり、時間で回復する、というシステムです。もちろん課金して回復アイテムを購入すれば、余分にプレイすることはできるのですが。
SAOでも、何日もログインし続けて死んでしまったプレイヤーがいたということなのですが、VRMMORPGは、例えばベッドに横になってリラックスした状態でログインします。ゲーム内で食事をしても現実の肉体は関係ありません。ゲームのやりすぎで命を落とす危険性もあるのです。もちろん、長時間ログインできないようにすればいいのですが、ゲームにのめり込みすぎて、実生活がおろそかになってしまう可能性は十分にあります。
前述した、身体が不自由な方向けのゲームなどで補完すると、実際は歩けないのにゲームの世界で自由自在に歩けるのであれば、仮想現実に入り浸ってしまうことは考えられます。そうでなくても、空を飛べるゲームとか、現実世界では味わえないような体験がゲームでできれば、ゲームに入り浸ってしまうのも仕方ない子かもしれません。ゲーム内にハーレムを作ってしまったりとか(笑)
まぁ、結局はゲームをする倫理観やルールなども自分次第だと思うので、あくまでゲームをやるのは自己責任で、薬と同じように、用法用量を守って正しく使わないといけませんね。事実に罪はない。罪があるのは人なのだと思います。
※フルダイブ中
危険プレーヤーの存在
ゲーム内にも登場しますが、ゲームによってはプレーヤー狩りという存在が登場します。現実世界では当然犯罪になるようなことも、ゲームの世界では犯罪にならないので、悪意を持ったゲームユーザーが現れる危険性はあります。オンラインとは言え、仮想空間で相対するゲームなので、どこまで制御できるかわかりませんが、仮想空間とはいえある程度不自由さを作っておくことも大事なのではないかと思います。
ソードアート・オンライン まとめ
今回は画像少なめでお送りしてきましたが(笑)、ゲームが舞台ということで、平成アニメらしい作品だと言えます。いい意味で昭和っぽいスポ根とか、汗臭い感じはしません。そういう意味でも、古き良き昭和アニメとは違う王道アニメと言えるのではないかと思います。
少年ジャンプを例に取っても、少年ジャンプのコンセプトは「友情・努力・勝利」という三原則です。これがジャンプをトップに押し上げたコンセプトであり、面白さを生む法則だと思いますが、この法則も崩れつつあるというか、古くなってきているとも言われています。以前のジャンプは、この三原則のコンセプトに沿っているのですが、今の看板漫画である「ワンピース」なんかは、努力を描いておらず、「友情・勝利」だとも言われています。努力を描かなくても面白いものができる証明になっているのかもしれません。三原則ということでいうなら、努力の代わりになるものがあるかもしれませんね。
これから第3期も始まり、どう展開するのかが楽しみですね。どんなゲームが舞台になるのか。キリトがどんな活躍をしていくのか。新たな可愛い女子キャラはどんな子なのか(笑)。キリトとアスナの関係はどうなっていくのか。どんな新しい問題が起きるのか。そういったことを楽しみに待っています。
そして、近未来作品としては「サイコパス(PSYCHO-PASS)」に続き第2弾としてお送りしてきました。サイコパスの世界ほど先の未来ではなく、より身近で現実的な近未来作品だと言えます。その分、起こりそうなことや、そうなった時にどんな問題が起きたり、逆にどんな可能性が拓けるのかということを述べてまいりました。その中からどんなことが現実になるのか、今から楽しみです。
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