君の名は。が生まれた秘密!新海誠監督作品の魅力を語る!

君の名は。が生まれた秘密!新海誠監督作品の魅力を語る!

 

今回は、今後のアニメーション映画界を背負って立つ、新海誠監督について、そして名作『君の名は。」の面白さは周知の通りなので、どのようにしてこの作品が生まれたのかということを、作品の魅力と共に解明していきたいと思います。
また、2018年1月3日よる9時からテレビ朝日系列にて「君の名は。」が地上波初登場で放送されます。映画で観た方、DVDで観た方、まだ観ていない方でも、コラムを見ていただければ、面白さもマシマシで観られるのではないかと思います!
詳しくはコチラから↓
www.tv-asahi.co.jp/shinkai/

君の名は。

言わずと知れた、2016年No. 1のアニメーション映画です。興行収入は250億円を超え、日本歴代4位となり、銀盤(DVDやBD)の売り上げも約64万枚と、その人気は間違いありません。
ここまで認知されている作品を今さらオススメするつもりはないし、その必要もないと思いますが、なぜここまで人気が出たのか?ということは、解明する余地があると思いました。
ということで、君の名は。がどのように生まれたのか。新海作品に見られる特徴や人気の秘密を紐解いていくとしましょう。

君の名は。が生まれるきっかけになった作品

「君の名は。」によって、その名を世界に轟かせた新海誠監督ですが、その人気に火がついたのは、「星を追う子ども」という作品でした。この作品に関しては、後で述べていきますが、「君の名は。」が生まれるに至る作品は2つあります。
1つは、
「秒速5センチメートル」
もう1つは、
「言の葉の庭」
です。

2作とも長編アニメーションではありませんが、登場人物の心理描写やストーリー展開などは、「君の名は。」に通じるところがあり、この2作がなければ、「君の名は。」は生まれてはいなかったでしょう。なぜそう言えるのか、2作品にある「君の名は。」に通じる要素を見つけてまいります。

秒速5センチメートル

この作品は、「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の連続短編集三部作という構成になっていて、主人公の男子が、小学生から社会人になるまで、各章ごとに、淡い恋心と成長していく過程を描いている作品です。2007年に公開された作品ですが、この作品こそ、「君の名は。」が生まれる原点になる作品だと思っています。

タイトルの秒速5センチメートルとは、桜の花びらが舞い落ちる速度のことで、ある意味、人と人との距離の近付き方に似ているかもしれません。
桜の花びらがひゅっと落ちたりひらひら不規則に落ちて行く様に、思春期の少年少女の恋心も、そんな風に思い通りにいかない、風に吹かれて離れては近付いたりするように、主人公を巡って恋模様が進んで行きます。

「秒速5センチメートル」は、三部構成になっていて、「桜花抄」は中学期、「コスモナウト」は高校期、「秒速5センチメートル」は社会人期をそれぞれ描いていますが、三部とも共通しているのは、「初恋」がテーマに含まれているということです。

その初恋が特徴的というか、歯がゆくもどかしい、新海誠監督の真骨頂と言える展開で、誰もが経験したことがあるようでないような、見ていて引き込まれる描写になっています。少年漫画などには、初恋がそのままゴールして結婚、なんていう展開がベタですが、実際にはほとんどそんなことにはならないですよね(笑)。そういうベタな展開や予定調和を好まないのが、新海誠監督にはあるのだと思います。そして、初恋の美しさや儚さ、ずっと残る思い出として描かれていて、安っぽいハッピーエンドにはなりません。それが、単純なファンタジーではなく、リアルな恋愛であるはずだからです。

そういう、理想と現実の狭間の調整がとてもうまく、決して理想を否定はしないものの、理想通りにはいかない現実を表現しているのはお見事です。

桜花抄

小学生の頃両思いだった女の子とお互い転校して、彼女は栃木に、主人公は鹿児島に住んでおり、彼女に会いに鹿児島から電車で向かう。かなり距離はあるが、栃木に近付くにつれ、緊張が増し、ドキドキが強くなるのだが、雪が降り積もり、電車は停車を繰り返し、到着予定時間がどんどんオーバーしてしまう。焦りと緊張、そして、彼女が待っていてくれているのかという不安に、見ているこちらもドキドキし、駅で待っている彼女も、本当に来るのか、無事来られるのか、焦りと不安がさらに増していく表現方法はたまりません。
そしてこの初恋は実ることなく、淡く儚い思い出になっていくのです。

「コスモナウト」

高校生になった主人公と、彼を好きになる女の子が登場するのだが、主人公の心には初恋が残っており、未だに栃木にいる彼女を思っている。それがまた彼を魅力的にしているのも皮肉だが、実るようで実らなかった初恋は、そうそう忘れられる思い出ではない。簡単に割り切れない恋心をリアルに描いています。

「秒速5センチメートル」

社会人になり、3年付き合う別の彼女がいるのだが、それでも彼の心の中には初恋の彼女が残っている。付き合っている彼女も、その彼の違和感を感じ「1000回メールをしても、心は1センチくらいしか近付けなかった」と言われ、別れることになる。そして、初恋の相手らしき女性と小田急線の踏切ですれ違うのだが、そこからラブストーリーには発展することはない。決して後味の良い終わり方ではないですが、あまりにも印象的で実らなかった初恋は、それほど影響を残す経験なのかもしれません。

言の葉の庭

2013年に公開された今作。主人公は高校生男子のタカオ。靴職人を目指すタカオは、雨の日にだけ午前中は学校をサボるという口実で、新宿御苑にある屋根付きのベンチで、靴のデッサンをしに行くのだった。
そんなある日、仕事をサボってチョコをつまみにビールを飲む27歳の女性ユキノと出会い、少しづつ打ち解け合う。そんな2人は、雨の日の午前中だけ出会う、お互いに名前も知らない独特な関係だった。

雨が2人を繋げるものとなり、雨の描写も特徴的に描かれています。

この2人を中心に描くので、描かれる世界は狭いものですが、「秒速5センチメートル」同様、その分深みのある心理描写が魅力的です。

一回りも年が違うが、恋にも似たようなものがあり、お互いがお互いを求めるような、必要とするような関係になります。味覚障害や、自分の足で歩くリハビリとして、新宿御苑の公園に来ていたユキノが、一回り下のタカオと話し合い、触れ合い、お弁当を交換したりすることが、結果的に心のリハビリにもなっていく。タカオにとっても、靴職人を目指し、靴を作る対象として、ユキノの足に合わせて靴を作り、タカオにとっても特別な時間と相手になっていく。(このユキノの足が、何とも言えないエロスを醸し出している。)

年の差があるので、どのように展開して行くのかというのも見どころではありますが、15歳という思春期の恋心や成長、27歳の大人の女性が抱える苦しみには引き込まれるものがあり、ユキノの心の叫びには、泣かされました。

この2人の関係性は、「秒速5センチメートル」で描かれた人間描写や恋愛を、さらに深めたように感じていて、「君の名は。」に繋がっていきます。

さらに、この作品では我らが推している「花澤香菜」さんがユキノ役を演じており、影のある難しい役を演じ切っています。ユキノの心の叫びを見事に表現しており、その表現だけでも涙してしまう程でした。「君の名は。」とは違い、俳優を使わず、声優がキャスティングされたことで、より完成度は高いものになったのではないかと思っています。

君の名は。をはじめ、新海作品に見られる特徴

思いはシンクロして通じ合っているのに、うまくいかないようになっている。お互い思い合っていても、完全には結ばれないような障害がある。
それは、

距離だったり(秒速5センチメートル)

年齢や立場だったり(言の葉の庭)

時空だったり(君の名は。)

決して、バッドエンドではないけれど、サッドエンドと言えるような、ハッピーエンドとは言いづらい。
でも、その時においてはそれしかないというか、創作におけるご都合的な結末を迎えないように、リアリスティックに描いている。

新海監督的には、

「物事そんなうまくいかねぇ。でも実際には、その裏にはこんなドラマがあるんじゃねぇの?」

というような思いを感じます。

アニメでもドラマでも、陽が当たるところは、輝かしいところか、悲劇的なところです。その中間はあまり描かれることは少ないものです。新海監督は、その陽に当たることはない中間をメインに、ドラマティックに描く天才だと思っています。

新海作品に見られる特徴

天気

秒速5センチメートルは雪

言の葉の庭は雨

君の名は。は隕石(笑)

これらの天気という、自然現象によって、物語が動かされているところもあります。
新海作品を観る上では、そういうところも注意してみてみると、色んな発見があるかもしれません。

電車・線路

三作品とも電車に乗るシーンがあり、それぞれがキーにもなっています。
秒速5センチメートルでは、好きな女の子に鹿児島から栃木に、雪が積もり遅延しながら向かう電車。初恋の相手と再開するも、二人が再び交わることのない線路という境界線。言の葉の庭では、雨が降ると、電車を降り新宿御苑にサボりに行くシーン。
君の名は。では、三葉と瀧が出会い結い紐を渡し、名前もわからなくなった2人が探し求める中で、並走する電車がすれ違う時にお互いに気付くシーン。このように、新海作品において、欠かすことのできない「天気」と「電車」という特徴は、リアルを描くとともに、色んな要素を象徴として描かれています。

君の名は。に隠れる魅力

最後に、この二つの作品を元に生まれた君の名は。の特徴をさらりと述べていきます。

今流行りのループものを取り入れている。

瀧くんと三葉の入れ替わりは、3年のズレがありました。瀧くんが生活している今の時間軸では、三葉は隕石の衝突によって、亡くなっていますが、3年ズレたままストーリーはしていくので、隕石墜落を期に三葉と入れ替わりがなくなります。瀧くんは三葉を探しに入れ替わりの記憶を頼りに飛騨へと向かい、隕石衝突によって亡くなっていたことを知る。口噛み酒が奉納されている、この世におけるあの世と言うべき場所へ行き、三葉の体の一部である口噛み酒を飲みます。そうすることで、もう一度瀧くんと三葉は入れ替わることができ、隕石衝突の事実を知る瀧くんは、過去に戻るというループをすることで、糸守の奇跡を生み出すことができました。

糸守の悲劇が、糸守の奇跡に

再び入れ替わることができたことで、糸守の悲劇は糸守の奇跡にすることができました。ループものは、あったことをなかったことにすることで、パラレルワールドが生まれたり、バタフライエフェクトによって、全然違う未来になってしまったりして、そこを中心に描くことが多いですが、「君の名は。」の場合は、隕石が落ちる事実は変わらず、死んだ人たちを死なせないこと重点に描いたので、結果的には丸く収まった感じがします。

おそらく、ループものによくある展開で描いたら、これほどの人気作にはならなかったかもしれませんね。まぁ、何度もループするわけではなく、結果的にループしたわけであって、その過程が秀逸ですよね。

また、この「糸守」という地名も、君の名は。において重要な価値があります。糸とは、結ぶものであり、人と人を繋ぐものです。組紐によって瀧くんと三葉を繋ぐ糸であり、糸守はその糸を守る町だったのです。

言葉の使い方

「糸守」という地名もそうですが、瀧くんと三葉が時間を超えて再開した「黄昏時」という言葉も、「誰そ彼時」や「片割れ時」「逢う魔が時」というような表現があり、その言葉の使い方というのが、言葉遊びでもあり、複数の意味を持つ言葉として表現する、新海監督の特徴でもあるかなと思います。以前コラムで紹介した化物語とはまた違う言葉の使い方で、言葉遊びの強い化物語と違い、新海作品は、言霊の使い方、という方がしっくりきます。

参考までに、化物語のコラムはコチラ↓

西尾維新・化物語-ばけものがたりサムネイル
化物語 異質な魅力満載の新感覚アニメ。普通の作品では物足りないあなたにオススメ! 2009年から放送されている人気シリーズ。西尾維新の...

星を追う子ども

2011年に公開された、長編アニメーション映画。
この作品が新海監督を有名に仕立てたとも言えますが、上記に挙げた三作とは全く違うストーリーとなっています。

特徴としては、まさに新海版ジブリと言えます。ラピュタの要素もあり、もののけ姫の要素もあり、千と千尋の神隠しの要素もあります。
ファンタジー色の強い作品で、デザインや作画から、ジブリよりも現実的に描かれていて、新海作品ならではの綺麗な空は健在です。

この作品で新海作品にハマった人からしたら、上三作品は違和感があるかもしれませんが、特に「君の名は。」からハマった人は、「えっ?」と思うかもしれません。奥ゆかしくむず痒い恋愛色がなく、人間や死生観、ファンタジー世界を描いている所が強いので、「君の名は。」のような展開を期待する人には肩透かし感があるかもしれせん。
むしろ、ジブリ好きな人にはオススメです。ただ、どうしてもジブリの二番煎じ感は否めず、もしこの路線で進めていたら、今の新海誠監督はなかったでしょう。
この路線で進めなくて、本当に良かったと個人的に思っています(笑)

まとめ

「君の名は。」が生まれた秘密、ということで、新海監督作品の特徴や魅力を述べてまいりました。あくまでMAXによる個人的な見解ではありますが、新海監督、もしご覧いただいて、私の見解が合っていたらコメントお待ちしております!(笑)

それはさておき、「君の名は。」が生まれた背景には「秒速5センチメートル」と「言の葉の庭」という作品があったことで、その世界観や設定、ストーリー展開が完成しました。また、ジブリ映画にあるような作品もあり、自作はどのような路線で制作するかも楽しみの一つとして待ちたいものです。
ただ、おそらく多くの人が求めるのは、「君の名は。」のようなもどかしい恋愛や、心理描写、象徴的な空や電車など、新海ワールドを味わいたいのではないかと思います。「星を追う子ども」のようなテイストから、「君の名は。」のようなテイストまで、幅広く描けるので、いい意味で期待を裏切るような作品で、私たちを感動させてくれるのを楽しみにしています。

2018年1月3日夜9時より、テレビ朝日系列にて「君の名は。」が放送されますが、その放送記念として、2018年1月1日深夜0時20分より、「秒速5センチメートル」と「星を追う子ども」が放送され、2018年1月2日深夜1時5分より、「言の葉の庭」と「雲のむこう、約束の場所」が共にテレビ朝日系列で放送されます!
今回紹介した「秒速5センチメートル」、「言の葉の庭」、「星を追う子ども」も、地上波で観られるので、ぜひチェックしてみてください!
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